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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ビーター
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マ)》発動寸前のイルファングの左腰を捉えた。

ざしゅうっ!という重く鋭い斬撃音。クリティカルヒット特有の激しいライトエフェクトがネザーを横切る。次の瞬間、コボルド王の巨体は空中でグラリと傾き、必殺の竜巻を生まぬまま床へと叩き付けられた。

「ぐるうっ!」

喚き、立ち上がろうと手足をばたつかせる。人型モンスター特有のバッドステータス、《(タン)(ブル)》状態。

辛くも倒れることなく着地に成功したネザーは、イルファングに向き直ると、肺から空気を絞り尽くす勢いで叫んだ。

「全員で囲め!!全力攻撃(フルアタック)だ!!」

「お……オオオオ!!」

エギルら6人が、これまでガードに専念させられた鬱憤(うっぷん)を爆発させるかのように叫んだ。倒れたコボルド王をグルリと取り囲み、縦斬り系ソードスキルを同時に発動させる。色取り取りの光に包まれた斧、メイス、ハンマー達が、巨体に轟然(ごうぜん)と降り注ぐ。爆発めいた光と音が炸裂し、視界上部に固定表示されたイルファングのHPゲージが、ガリガリと削り取られる。

これは賭けだ。コボルド王が立つまでに全HPを削り切れればこちらの勝利。その前に奴が《(タン)(ブル)》から脱すれば、その瞬間再び《(ツムジ)(グルマ)》が炸裂し、今度こそ全員を切り倒す。

エギル達は、次のスキルの予備動作に入った。同時にコボルド王はもがくのをやめ、立ち上がるべく上空を起こした。

「クソッ!」

ネザーは押し殺した声で叫び、いつの間にか近くに立っていたキリトに向けて声を張り上げた。

「キリト、ソードスキルを同時にやるぞ!」

「わかった!」

本来なら誰かと手を組むのは御免だ。しかし、事が事なので仕方がない。そんなことを思いながら、6人が武器が再び同時に唸り、ボスの巨体をライトエフェクトの渦に呑み込む。

だがその光が薄れるのを持たず、ボスが雄叫びと共に体を起こす。HPゲージは、わずか3パーセントだが残り、赤々と輝いている。

エギルらはディレイを課せられ、動けない。対して、《(タン)(ブル)》中に攻撃されたイルファングはスタンもノックバックもせず、滑らかに垂直ジャンプのモーションに入る。

「行っ……けえッ!!」

キリトは、絶叫するや否や、ネザーと同時に地を蹴った。

エギル達の隙間を抜け、まずアスナが先に渾身(こんしん)の《リニアー》をボスの左脇腹に打ち込んだ。

わずかに遅れ、青い光芒(こうぼう)を纏ったネザーの剣が、コボルド王の右肩口から腹までを斬り裂いた。結果、コボルド王のHPゲージは、残り1ドット。

獣人が、ニヤリと笑った気がした。それに対し、ネザーは怒りの表情を返すと、素早く手首を返した。

「ふああああッ!!」


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