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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ビーター
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、4匹の重装衛兵を同時に相手にしている。今のところ被ダメージは大したことはないが、恐らく今後はイルファングが生きている限り、壁の穴から4匹のセンチネルが定期的に何度も湧くだろう。2パーティーだけではいずれ限界が来る。

膝立ちの姿勢でうずくまったネザーの眼は、ボスコボルドの動きを捉え、ソードスキルを判別する端から「右水平斬り!」だの「左斬り下ろし!」だのと大声で叫び続けた。

エギルら6人は、ネザーの指示どおり一か八かの相殺には挑まず、盾や大型武器でガードに徹した。元々壁型構成のプレイヤー達なので防御力もHP量も高いが、それでもボスの放つソードスキルをゼロダメージに抑えるのは不可能だ。派手なサウンドエフェクトが炸裂するたび、ゲージはジワジワと減っていく。

そんな彼らの間を、軽やかに舞う1人のフェンサー。アスナだ。決してボスの正面と背後には回らず、それでいてイルファングが少しでも硬直すると、その隙を逃さずに渾身(こんしん)の《リニアー》を叩き込む。もちろんそれを繰り返しているとボスの増悪値(ヘイト)がアスナ1人だけ上がってしまうが、壁の6人が《威嚇(いかく)》などのヘイトスキルを適宜(てきぎ)使用しターゲットを取り続ける。

要素のどれが1つでも破綻(はたん)すれば、その瞬間崩壊する危うい戦闘が、実に5分近くも続いた。

やがてついにボスのHPが残り3割を下回り、最後のゲージが赤く染まった。

その瞬間、一瞬気が緩んだのか、壁役の1人が脚をもつれさせた。よろめき、立ち止まったのはイルファングの真後ろだった。

「……速く動け!」

キリトが反射的に叫んだが、コンマ1秒間に合わなかった。ボスが《取り囲まれ状態》を感知し、ひときわ獰猛(どうもう)に吠えた。

グッ、と巨体が沈む。全身のバネを使って高く垂直ジャンプ。その軌道上で、野太刀(のだち)と己の肉体を、1つのゼンマイのようにギリギリと巻き絞っていく。全方位攻撃、《(ツムジ)(グルマ)》……

「……うああああッ!」

ネザーは短く吠え、未だ全身には至らない自分のHPゲージのことも忘れて、壁際から飛び出した。

剣を右肩に担ぐように構え、左足で思い切り床を蹴り付ける。本来の敏捷力ではあり得ない加速度が背中を叩き、ゲドの体は斜め上空へと砲弾のように飛び出す。片手剣突進技、《ソニックリーブ》。《レイジスパイク》より射程は短いが、軌道を上空にも向けられる。

右手の剣が、鮮やかな黄緑色の光に包まれた。行く手では、ジャンプの頂点に達したイルファングの刀が、深紅の輝きを生もうとしている。

「……くたばれえぇぇッ!」

叫びつつ、限界まで右腕を伸ばしながら、ネザーは剣を振った。

片手剣の先端が、空中に長いアーチを描きながら走り、《(ツムジ)車(グル
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