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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ボス初戦
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な
野太刀
(
のだち
)
が正面から襲った。
眼にも止まらぬ上、下の連撃。そこから一拍溜めての突き。3連撃技、確か名を《
緋
(
ヒ
)
扇
(
オウギ
)
》。
騎士の体を包んだ3連撃のダメージエフェクトは、その強烈な色彩と衝撃音で、全てがクリティカルヒットだったことを示していた。
仮想体
(
アバター
)
は20メートル近くも吹き飛ばされ、レイドメンバーの頭上を超えて、最後方でセンチネルの相手をしていた俺のすぐ近くに、ほとんど突き刺さるように落下した。そのHPゲージは既に全体が真っ赤に染まり、右端から急速に滅り始めていた。
「………」
ネザーは無言のまま、正面から迫るセンチネルの
長斧
(
ハルバート
)
を、ありったけの力を込めた《スラント》で撃った。斧の
柄
(
つか
)
が
半
(
なか
)
ばからへし折れ、立ったまま短いスタンに
陥
(
おちい
)
るコボルドの喉を、キリトが片手剣の根元まで埋まる勢いで貫く。
モンスターの爆散エフェクトすら見届けず、俺は体を
翻
(
ひるがえ
)
し、倒れるディアベルに向き直った。
「……1人で突っ込もうとするとはな。勇敢か……さもなきゃ大バカ者か」
初めて近距離で騎士の顔を見ながら呟く。
今の呟きを聞いていたのか、ディアベルは弱々しく眼を開き、震える唇で、俺に言った。
「……お前も……元ベータテスターなら、わかるだろ」
「………!?」
不意に、ディアベルの一言は、俺の脳裏に刺激を働かせた。
……この男も……元ベータテスター……。
キリトの時とは違い、ディアベルが元テスターだとは、すぐに気付けなかった。そしてこれも同じく、気付けなかった。
「……ラストアタックボーナスによる、レアアイテム。それが狙いだったのか」
俺はようやく全てを察した。
この男は、過去を隠したまま今日まで戦ってきたのだ。そして隠したまま、仲間すら作ったのだから、プレッシャーも相当受けたいたのだろう。
俺はこのディアベルというプレイヤーを知らない。
だが、逆にディアベルは俺のことを知っているのだろう。そうでなければ、俺が元ベータテスターの1人だということもわからなかったはず。以前、ベータ時代のアインクラッドで顔を合わせたことがあるのかもしれない。しかし、あの頃はアバターと現実の容姿が同一化されていなかったため、当然今の姿で顔を合わせたことはない。おそらく、俺の性格あるいは雰囲気で正体を察したのだろう。ベータ時代も、俺の態度は今と大して変わらない。
フロアボスのレアドロップアイテムは世界に唯一の高性能品であり、入手すれば戦闘力を大幅にアップできる。SAOがでスゲームとなってしまった今、戦闘力は存在力と同義だ。ディアベルは、今後もこの世界を生き抜くために、あらゆる手段を講じてイルファングの落とすレア装備を手に入れようとした
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