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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ボス初戦
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同時に、蓄積されたパワーが、深紅の輝きに形を変えて
竜巻
(
たつまき
)
の
如
(
ごと
)
く解き放たれる。
軌道は水平。攻撃角度は360度。
刀専用ソードスキル、重範囲攻撃《
旋
(
ツムジ
)
車
(
グルマ
)
》。
迸
(
ほとばし
)
った6つのライトエフェクトは鮮やかに赤く、まるで血柱のように見えた。
視界左に表示されるC隊のHP平均値ゲージが、一気に5割を下回ってイエローに染まった。指先でゲージに触れれば6人の個別HPを見ることができるが、今は展開しても意味はない。
C隊全員がほぼ同値のダメージを喰らったのは明らかだ。
範囲攻撃のくせに一撃でHPを半分以上持っていく威力も凄まじいが、技の効果はそれに留まらない。床に倒れ込んだ6人の頭を、回転するおぼろな黄色い光が取り巻いている。一時的行動不能状態……スタンしているのだ。
SAOに十数種存在するバットステータスの中では、
麻痺
(
まひ
)
や盲目ほどには恐ろしいものではない。効果時間は最長でもせいぜい10秒。しかし発動が即時なうえ、回復手段が存在しない。それゆえ、前線メンバーがスタンした場合は、仲間がスイッチを待たずに飛び込み、タゲを引き受けねばならない。
だが、
動ける者は、1人としていなかった。事前に綿密極まる作戦会議をしていたこと。ここまでずっと楽勝ムードが続いていたこと。そして、頼るべきリーダーのディアベル本人が一撃で打ち倒されてしまったこと。それらの理由が複合して、C隊以外の全員の体を縛った。奇妙な静寂の中、コボルドロードが超大技を出した後の長めの硬直から回復した。
そこでようやく我に返り、キリトが叫ぼうとした。
「追撃が……」
同時に前線のほうで、両手斧使いエギル以下の数名が援護に動こうとした。
だが、間に合わなかった。
「ウグルオッ!!」
獣人が吠え、両手で握った刀を床すれすれの軌道から高く斬り上げた。ソードスキル《
浮
(
ウキ
)
舟
(
フネ
)
》。狙われたのは、正面に倒れる
騎士
(
ナイト
)
ディアベルだった。薄赤い光の円弧に引っかけられたかのように、銀色の金属鎧を着込んだからだが高く宙に浮く。ダメージはさほどではない。しかし、コボルド王の動きも止まらない。
オオカミに似た巨大な口が、ニヤリと
獰猛
(
どうもう
)
に笑った。
刀の刃を、再度赤いライトエフェクトが包む。《
浮
(
ウキ
)
舟
(
フネ
)
》はスキルコンボの開始技なのだ。あれをまともに喰らって浮かされたら、無駄に足掻こうとせず、体を丸めて最大防御姿勢を取らねばならない。しかし、初見ではそんな対処は不可能だ。
ディアベルは、空中で長剣を振りかぶり、反撃のソードスキルを撃とうとした。だが、システムはその不安定な動作をスキルの開始モーションとは判定しなかった。
空
(
むな
)
しく剣を
翳
(
かざ
)
す騎士を、巨大
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