暁 〜小説投稿サイト〜
Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ボス初戦
[4/9]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
は長射程ソードスキルを背中に喰らって行動延長、へたをすれば行動不能だ。ゆえに体はボスに向けたまま後退せねばならないのだが、いざその状況になると100メートルが無限に思えるほど長い。瞬間的なテレポートが可能となるが《転移結晶》を入手できる上層階のボス戦のほうが、いっそ撤退は楽かもしれない。だが、転移結晶は高価なので、撤退後の赤字額が激増するのも確かだ。
そんなことを考えていると、ほぼ暗闇に沈んでいたボス部屋の左右の壁で、ボッと音を立てて
粗雑
(
そざつ
)
な
松明
(
たいまつ
)
が燃え上がった。ボッ、ボッ、と松明は次々に奥へ向かって数を増やしていく。
光源がジェネレートされるにつれ、内部の明度も上昇する。ひび割れた石床や壁。その各所に飾られた大小無数のドクロ。部屋の最奥部には粗雑かつ巨大な
玉座
(
ぎょくざ
)
が
設
(
もう
)
けられ、そこに
坐
(
ざ
)
する何者かのシルエット……。
騎士ディアベルが高く掲げたままの長剣を、さっと前に振り下ろした。
それを合図に、総勢44名からなるボスモンスター攻略部隊は、盛大な
鬨
(
とき
)
の声を上げつつ一気に大部屋へと雪崩れ込んだ。
まず最前列で突進したのは、鉄板じみたヒーターシールドを掲げるハンマー使いと、彼に率いられるA隊だ。その左斜め後方を、斧戦士エギル率いるB隊が追う。右には、ディアベルと彼の仲間5人によるC隊と、長身の両手剣使いがリーダーのD隊。更にその後ろを、キバオウ率いる遊撃用E隊と、長柄武器装備のF隊、G隊が3パーティーで並走する。
そして一番しんがりに、オマケ部隊の3人。
A隊リーダーと玉座との距離が20メートルを切ったその瞬間、それまで微動だにしなかった巨大なシルエットが猛然と跳んだ。空中でグルリと1回転し、地響きと共に着地。オオカミを思わせる
顎門
(
あぎと
)
をいっぱいに開き、吠える。
「グルルラアアアアッ!!」
獣人の王、《イルファング・ザ・コボルドロード》の外見は、全て俺の記憶にあるとおりだった。赤灰色の毛皮を
纏
(
まと
)
った、2メートルを軽く超える
逞
(
たくま
)
しい
体躯
(
たいく
)
。血に飢えた赤金色に
爛々
(
らんらん
)
と輝く眼。右手に骨を削って作った斧、左手には革を貼り合わせたバックラーを
携
(
たずさ
)
え、腰の後ろには差し渡し1メートル半はある
湾刀
(
タルワール
)
を差している。
コボルドロードは、右手の骨斧を高々と振り翳すと、A隊リーダーに向けて力任せに叩き付けた。分厚いヒーターシールドがそれを受け止め、
眩
(
まばゆ
)
いライトエフェクトと強烈な衝撃音が広間を揺らした。
その音が合図だったかのように、左右の壁の高い所にいくつも開いた穴から、3匹の重武装モンスターが飛び降りてくる。取り巻きの《ルインコボルド・センチネル》だ。キバオウ率いるE隊と、それを支援するG隊が3匹
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ