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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ボス初戦
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月日が経とうと……このゲームはクリアされるべきだ。ボスにも、この世界にも……負けるつもりはない」
__スレイド・フェルザーの血塗られた過去は、戦いの連続だった。
SAOを始めるほんの数ヶ月前に終わった、あの悲惨な事件が俺を大きく狂わせた。それからもずっと戦い続け、それら全てに勝ち抜いてきた。敗北すれば、その人の全てが終わるに等しい。
戦いの果てに、俺を待ち受けていたのは、この《ソードアート・オンライン》だった。ここは現実とは違い、余りにも未知で異質なルールと文化もさることながら、個人の力だけではどうにもならない種類の戦いなのだ。
課せられた解放条件は、アインクラッドの天辺である第100層に辿り着き、そこにいるボスを倒すこと。しかし、ゲーム開始から1ヶ月で、プレイヤーの5分の1が退場し、残された戦力は余りに少ない。こんな状態で100層に辿り着けるのかと思うと、気力が落ちるようだった。
しかし、それでも俺は自分の意地を貫き通そうとしている。目標に到達するためなら、どんな苦痛にも耐えるつもりだ。
黒髪の片手剣士は無言で聞き入っていたが、やがて黒パンを食べ終え、小さく言った。
「お前は俺のパーティーメンバーだ。だから簡単には死なないでくれよ」
「……無論、そのつもりだ。もし、ボス戦で死ぬとしたら……俺もそこまでの男だったということだ」
右頬に2つの傷痕を持つ片手剣士が最後の言葉でピリオドを打ち、それからはお互い無言で、何も話すことはなかった。
2022年、12月3日、午前10時。
トールバーナの噴水広場に集合し、ディアベルと共に第1層《森のフィールド》を移動する45人のプレイヤーは、現時点で望み得る最高の戦力をかき集めた集団と言っても過言ではないだろう。このメンバーが万が一全滅すれば、その噂はあっという間に《はじまりの街》にまで伝わり、《SAOはクリア不可能》という
諦念
(
ていねん
)
が第1層を覆い尽くすだろう。
2回目の攻略舞台を再編成するのにも、時間がかかる。あるいは、二度とボスに挑めないということもあり得る。レベルを上げて再戦しようにも、第1層のモンスターではもう経験値効率が事実上の限界に達してしまっている。
全ては、ボスモンスターたる《イルファング・ザ・コボルドロード》の強さがベータテスト時から変更されているかどうかにかかっている。俺が記憶しているコボルド王のままなら、死者ゼロで倒すのも不可能ではないはず。あとは皆が、本物の命を賭けた戦いで、最後まで連携を保てればいい。
午前11時、迷宮区到着。
午前12時半、最上階踏破。
とりあえず、ここまで死者が出なかった。 何せ、レイドパーティーに近い人数での行軍は、この場
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