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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
第1層ボス攻略会議
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した体格の男だった。背負っているのはやや大型の片手剣。頭はある種のサボテンのように(とが)ったスタイルの茶色の髪。

一歩踏み出し、サボテン頭はディアベルの美声とは正反対の濁声(だみごえ)で唸った。

「そん前に、こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこはでけへんな」

唐突(とうとう)な乱入に、ディアベルはほとんど表情を変えなかった。余裕溢れる笑顔のまま、手招きしながら言う。

「こいつっていうのは何かな?まあ何にせよ、意見は大歓迎さ。でも、発言するなら一応名乗ってもらいたいな」

「……ふん」

サボテン頭は盛大に鼻を鳴らすと、一歩、二歩と進み出て、噴水の前まで達したところでこちらに振り向いた。

「わいは《キバオウ》ってもんや」

なかなかに勇猛(ゆうもう)なキャラネームを名乗ったサボテン頭の片手剣士は、小さめながら鋭く光る両眼で広場の全プレイヤーを睥睨(へいげい)した。

「こん中に、今まで死んでいった2000人に、詫び入れなあかん奴らがおるはずや」

途端、低くざわめいていた45人の聴衆(ちょうしゅう)が、ピタリと押し黙った。キバオウが何を言わんとしているのか、やっと全員が理解したのだ。

「キバオウさん。君の言う《奴ら》とはつまり……元ベータテスターの人達のことかい?」

腕組みしたディアベルが、今までで最も厳しい表情を浮かべて確認した。

「決まっとるやろ」

革の上に分厚い金属片を()い付けたスケイルメイルをジャラリと鳴らし、キバオウは背後の騎士を一瞥(いちべつ)から続けた。

「ベータ上がりどもは、こんクソゲームが始まったその日にダッシュで《はじまりの街》から消えよった。右も左もわからんビギナーどもを見捨ててな。奴らはうまい狩り場やらクエストを独り占めして、自分らだけポンポン強うなって、その後もずーっと知らんぷりや。……こん中にもおるはずや。ベータ上がりっちゅうことを隠して、ボス攻略の仲間に入れてもらお考えてる小ずるい奴らが。そいつらに土下座さして、貯め込んだ金やアイテムをこん作戦のために(のき)()み吐き出してもらわな、パーティーメンバーとして命は預けられんと、わいは言うとるんや!」

名前の通り、牙の(ひと)()みにも似た糾弾(きゅうだん)が途切れても、やはり声を上げようとする者はいない。

まさしく、元ベータテスターの俺も自分から名乗ろうとしなかった。もとより誰かに自分の命を預けるつもりなどなかった。

しかし、間近のベンチに腰掛ける1人の少年が、奥歯を噛み締め、息を殺し、沈黙を続けているのが眼に映った。

黒いコートを着用し、片手剣を背負った黒髪の少年。年齢は俺と同じくらいだろう。彼の噛み締める姿を見て、ピンと来た。彼も俺と同じ__元ベー
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