第十章 仮想世界
第8-2話 上条と十香と折紙
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〜上条×十香編〜
朝。
カーテンの隙間から差し込む眩しい光がベッドの上で寝ている上条の顔を照らし、心地よい眠りから解放させられた。
気だるい身体を無理矢理起こし大きな欠伸をしながら時計を見ると、短針が8のところにあり長身は丁度12のところを指していた。
上条「ッ!?ヤバイ、遅刻だ!!」
と、布団をバッと払いのけ着替えるためにクローゼットを開けたところでふと思い出す。
そういえば、今日は……
上条「…………祝日だったな、確か」
気だるさに加えて朝からバタバタした疲れが一気に訪れて上条は大きく息を吐いた。
上条「…………朝飯、食べるか」
もう一度大きく息を吐いて、まるで年寄りのように腰を曲げて歩きながら部屋を出た。
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ーーー
ーー
ー
リビングの部屋をゆっくりと開けて一緒に住んでる″彼女″に声をかけた。
上条「おはよー……」
弱々しく小さな声で言ったのだがリビングはそこまで大きくなく窓も開いていないしテレビもついていない。なので小さな声でもよく響いた。
十香「当麻おはようなのだ!」
だから元気で大きな″十香″の挨拶は上条の鼓膜を大きく揺らした。
上条「朝から元気だな」
十香「うむ!」
満面の笑みで頷く十香。その笑顔に上条は何度救われただろうか。
″大学を卒業″して就職し、十香と″二人で暮らし″てからというものの、上条にとって十香はかけがえのないものとなった。
持ち味の不幸で仕事先でも失敗の連続、上司には毎日のように怒られる日々……ストレスも溜まっていく。
そんな状態で家に帰って十香の顔を見ると本当に癒される。
十香は昔と違って家事もそつなくこなせるまでに成長し、家事スキルはもう上条を超えているのかもしれない。
十香「朝餉なのだ!」
と、テーブルの上にトーストと目玉焼き、牛乳が置かれた。シンプルだが何故かトーストが飽きない美味しさがある。一体何を塗っているのだろうか……?
ここまで言えば分かるかもしれないが、上条と十香は結婚したのだ。子供はまだいないが、幸せな家庭を築いている。
昔と違い突然魔術師が襲ってきたり学園都市の暗部が暴れたりはしないので休日は基本外に出ず家でゴロゴロしている。
けど、たまには。
上条「十香、今日はどっか出かけるか?」
十香「%[?6○]×$3々¥:!!」
上条「うん、まずは口の中を綺麗にしてから話そうか」
こういう食べ物の事に関しては厳しい上条は十香に対して少し怒った。
十香はゴクッと口に含んでいたものを胃の中へと押し込み、満面の笑みでこう答えた。
十香「うむ!お出かけするのだ!!」
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