暁 〜小説投稿サイト〜
ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十八話 脱出開始です!
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
期上だからって言って敬語?最終的には私の方が階級は上だったのに?」
「いちいち嫌味ったらしい!!!」
ティファニーが叩き付けるように言葉を吐き捨て、ティアナを振り向いて睨んだ。
「ティアナ。」
フィオーナが諭した。ティアナは口をつぐんだ。ティアナとティファニーの仲の悪さは前世から健在である。もっとも原因は自分にあると、ティファニーはひそかに思っていた。散々こちらからフィオーナに絡んだ結果がティアナの今の自分への態度なのだ。
一方のティアナもこの現世にきてまでティファニーと喧嘩をすることはバカバカしいと思っていたが、前世で言い足りなかったことを思う存分言いまくってやりたいというどす黒い感情が胸にたまっていた。
「すみません、先輩。先輩のお手を煩わせてしまって。」
ティファニーは強いてこわばった声を出しながら、
「勘違いしないで、フィオーナ。私はこの現世においてもシャロン教官の味方よ。そこの裏切者と違って。」
「裏切者!?言ってくれるじゃないの。この――。」
「ティアナったら!!」
フィオーナの声にかまわず、
「シャロン教官のことは、あんただってわかっているでしょう!?どう考えても・・・・まぁ、いいわ。こんなところにきて前世からのゴタゴタを蒸し返そうなんて思いたくないもの。」
「私もよ。」
おやっとフィオーナとティアナが思わず顔を見合わせたほど、ティファニーの言葉ははっとするような悲しいやるせない響きが満ち溢れていた。
「私はシャロン教官の味方だと言ったけれど、フィオーナ、ティアナ、私は私なりに――。」
急に言葉がつぐまれた。ティファニーの足が止まっていた。二人が顔を上げると、目の前に懐中電灯らしい明かりが明滅しているのが見えた。
「アンジェ?」
ティファニーの呼びかけに、懐中電灯の光がうなずくように上下した。
「アンジェ先輩も・・・・。」
そのフィオーナのためらいがちな声を聞きつけたかのように、後方からイルーナが追い付いてきた。
「イルーナ・フォン・ヴァンクラフト主席聖将・・・いいえ、この世界ではヴァンクラフト大将閣下でしたか。」
アンジェが冷ややかに挨拶する。姿かたちは懐中電灯の光に邪魔立てされてはっきりとはわからないが、その冷たさははっきりと伝わってくるレベルだった。これがもし自分に対してならもっともっと冷たいブリザードが吹き付けてきただろうとフィオーナは思った。イルーナのほうはそれしきのことで動じた様子を毛ほども見せていなかった。
「言いたいことは後で聞くわ。あなたもここにいるという事は、シャロンの命令を聞いてやってきたのでしょう?速やかに出口まで案内願うわ。そうすればあなたの言いたいことを聞く時間は多少なりとも稼げるでしょう。」
「そうありたいものです。あなたと、そしてそこの二人に対してね。」
アンジェ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ