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ドリトル先生の名監督
第七幕その四
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「あれはね」
「いいデザインの作業服ですか」
「作務衣も」
「そうなるんですね」
「日本の格好いいデザインの作業服」
「そうなるんですか」
「僕はそう思うよ」
 微笑んでです、先生は学生さん達にお話しました。イギリス人として。
「作務衣も他の日本の服もお洒落だよ」
「それで褌もですか」
「お洒落な下着ですか、先生にとっては」
「そうなりますか」
「うん、着けるのも難しそうだけれど」
 それと共にというのです。
「僕にはお洒落過ぎるね」
「そこであえてお洒落に向かったらどうですか?」
 お洒落に及び腰の先生にです、学生さん達のうちの一人が言いました。
「ここは」
「お洒落に凝ってはというんだね」
「はい、そうされては」
「どうだろうね」
「そもそもスーツもです」
 先生がいつも、そして今も着ている正装はというのです。先生はいつもしっかりとネクタイを締めて帽子も革靴も身に着けています。
「お洒落ですよ」
「いつもきちんとした身なりをしないとね」
「イギリスではですか」
「うん、学者として相応しくないって言われてるからね」 
 今もというのです。
「こうした身なりをしてるけれど」
「お洒落じゃなくて」
「エチケットかな」
 イギリスのそれだというのです。
「僕の身なりはね」
「お洒落じゃなくてですか」
「僕はそう考えてるよ」
「スーツの上を脱がないことも」
 つまり上がシャツだけにならないこともです。
「エチケットですか」
「イギリスではホワイトカラーはね」
「ブレザーも脱がないんですね」
「そうなんだ」
「そうですか、日本とは違いますね」
「そうだね、イギリスがそこは厳しくてね」
 それでというのです。
「僕もそれに倣ってるんだ」
「そうですか」
「だからお洒落じゃないよ」 
 先生のいつものスーツはです。
「別にね」
「じゃあお洒落もですか」
「先生には縁がない」
「そうなんですね」
「ご自身が言われるには」
「そうだよ、僕にはお洒落は縁がないから」
 それでとです、また言った先生でした。
「着物も遠慮しているんだ」
「ううん、確かに着物って動きにくいですし」
「褌も着ける人滅多にいなくなりましたけれどね」
「けれどお洒落ですか」
「褌もまたそうなんですね」
「あのお洒落さはね」
 まさにと言う先生でした。
「日本文化の粋だよ」
「粋ですか」
「そこまでのものですか」
「昔はどの国でも下着は大体ああだったと思いますけれど」
「日本の褌は、ですか」
「うん、あれは僕には無理だよ」
 本当にお洒落だからというのです。
「遠慮しておくよ」
「ですか、けれど先生お洒落はされないっていいますけれど」
「いつもスーツですし」
「エ
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