暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第百十七話
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「助かった。……勝つにしろ諦めるにしろ、そろそろだろうが」

 スメラギは野太刀をしまいながら、転移門の方を見てふと呟いた。そう言われて確認してみれば、スリーピング・ナイツのメンバーがフロアボスに挑戦して、もう随分と時間が経っており、そろそろこの第一層に戻ってきていい頃だが――と、気にしていると。

 転移門が白く輝きだしていく。どこかからこの層にワープしてくる者がいる証であり、近くにいたプレイヤーは距離を取っていく。さらに転移門から黒鉄宮にまで、プレイヤーたちは自然と道となるように列を作っていた。

「凱せわぁっ!?」

 光が収まったとともに、笑顔のノリが現れた――と思ったその瞬間、大量のプレイヤーが雪崩のように転移門の前に現れ、ノリを始めとした前方に現れていたプレイヤーは雪崩に巻き込まれていた。その雪崩のようなプレイヤーの中には、スリーピング・ナイツのメンバーも見て取れたが、ほとんどはシルフとケットシーのプレイヤーだった。

「うーん、やっぱりこうなっちゃうヨネー」

「だろうな」

 雪崩のように倒れてきたプレイヤーたちに、俺たちがどんな反応をすればいいか分からず圧倒されていると、転移門が光りさらに二人のプレイヤーが現れていた。見覚えがある人物だと思えばそれもそのはず、ケットシー領主のアリシャ・ルーに、シルフ領主のサクヤだった。

「何人まで同時にワープ出来るか気になったんだけどネー。大丈夫ー?」

「大丈夫!」

 ……どうやら転移門に全員で飛び込んだらしく、何やら覚えがありそうなキリトが苦笑いしていた。アリシャ・ルーが倒れたプレイヤーの雪崩に声をかけると、その中から1人のプレイヤーが立ち上がり、こちらにVサインを向けていた。

「――勝ったよ!」

 ユウキのはちきれんばかりの笑顔からそう宣言され、呆気にとられていたメンバーから歓声が上がる。ユウキはその歓声に答えるように手を振っている間に、倒れていたプレイヤーたちも続々と起き上がってきた。

「でも……サクヤたちまで何でここに?」

「それは……」

「色々、縁があってな」

 シルフ領のメンバーとは知り合いであるリーファが聞いてみると、ノリがちょっと言い辛そうに口を挟んだ後、サクヤが面白そうに話しだした。どうやら俺たちが第一層に行った後、一度はフロアボスに敗北してしまったらしく――一度で勝てる方がおかしいのだが――もう一度挑戦しようとしたところ、他のギルドがフロアボスの部屋の前で壁を作っていて。強行突破しようとしたところ、同じくボス攻略に来ていたシルフ・ケットシー連合軍に助けられた、とのことで。

「そっか……ありがとね、サクヤ」

「何。リーファの友達なら助けるのは当然だ」

「まさか本当に倒して来ちゃうとは思って
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ