第四章
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「古墳があるらしい、若しあったらだ」
「その古墳はですね」
「かなりの発見ですね」
「若しあればですが」
「その古墳から色々わかるかも知れないですね」
「ある」
暢樹は断言した。
「あそこに」
「まさかと思いますが」
「鹿児島までですか」
「実際に確かめる」
「そうするんですか」
「まずは動く」
自身の座右の銘というか生き方をだ、暢樹は言った。
「だからな」
「じゃあ今すぐにでも」
「鹿児島に行く」
「そうされますか」
「そうする」
こう言って本当にすぐにだった、暢樹はその日のうちに八条大学のある神戸から鹿児島まで向かった。幸い数日の間講義も他の予定もなかった。
だが同行した者達は鹿児島駅に着いて呆れて言った。
「本当に来たよ」
「はるばる鹿児島まで」
「すぐに動く人にしても」
「また極端だな」
「相変わらず」
こう呆れて言う、だが。913
暢樹はその彼等にだ、意気込む声で言った。
「早速古墳が埋まっているという場所に行こう」
「現地にですか」
「即座にですね」
「もうあっちに話はしてある」
持ち前の行動力で現地の人達にも話をつけたのだ。
「だから行くぞ」
「本当に行動力ありますね」
「何でもかんでもまず動くから」
「だからですね」
「もうですね」
「そうだ、あっちにも話をした」
それをつけたというのだ。
「じゃあ行くぞ」
「わかりました」
「じゃあ行きましょう」
「現地に」
「確か鹿屋でしたよね」
「ああ、、あそこだ」
暢樹は何でもないといった口調で答えた。
「あそこにあるんだ」
「鹿屋ですか」
「鹿屋っていうと海自さんの基地ありますね」
周りはすぐにこのことを思い出した。
「昔は特攻隊の基地もあって」
「資料館もありますね」
「そこも寄りたいな」
学者としての知識探求欲からだ、暢樹はこうも言った。
「是非な」
「ですか、まあとにかく」
「まずは古墳の場所ですね」
「そこで発掘しましょう」
「そうしましょう」
「もう行く手配もしてるからな」
それもしたのだ。
「じゃあ行くぞ」
「はい、いつも通り一直線ですね」
「立ち止まることないですね」
「それじゃあ行きましょう」
「そこまで」
周りの者達も何だかんだでついていった、そして。
鹿屋のその場所でだ、現地の人達と共にだった。
暢樹と一行は発掘にかかった、だが。
現地の人達もだ、いぶかしみながら言うのだった。発掘作業の中で。
「本当にここに古墳なんてあるのかな」
「九州で古墳ねえ」
「関西には多いけれど」
「まして鹿児島には」
「あるのかな」
「ないんじゃないか?」
かなりいぶかしげだった。
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