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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百七十一話 内戦の始まり
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謀長だった。プフェンダーはグリンメルスハウゼンの参謀長だったはずだ。この世界では、ノルデンの代わりにケスラーが参謀長だったし、プフェンダーは男爵家をついで戦争には出なかった。代わりに俺が参謀長になった。

俺には全く恨まれる覚えが無く、???の状態だったのだがそんな俺を教え諭してくれたのはこれまたシューマッハ准将だった。

グライフスが俺を恨むのはヴァンフリートで武勲を俺に独り占めにされたかららしい。あの戦いでミュッケンベルガー率いる宇宙艦隊は良い所が無かった。結局それはミュッケンベルガーを補佐したグライフスの責任だと周囲から言われたようだ。

もちろんミュッケンベルガーはそんな事は言わなかっただろうし思いもしなかっただろう。だがミュッケンベルガーは俺を宇宙艦隊の作戦参謀に任じた。傍において監視するつもりだったのだろうが、グライフスはそうは取らなかった。

自分を否定されたように感じて総参謀長を辞任したらしい。道理で俺が作戦参謀になったとき妙に居心地が悪かったわけだ。ヴァレリーが亡命者ということだけではなかったのだ。

ノルデンとプフェンダーはもっと酷かった。ノルデンは第六次イゼルローン要塞攻防戦の前後に誰かの参謀長をと人事に希望を出していたらしい。だがその希望は通らなかった。俺がケスラーをラインハルトに推薦したからだ。

そしてケスラーは出世し始める。当然だがノルデンは面白くなかった。その後、俺が宇宙艦隊副司令長官になったとき、各艦隊に幕僚を推薦したが当然ノルデンはその中に選ばれなかった。という事でノルデンは俺に恨み骨髄らしい。自分のような優秀な参謀を選ばないのは無能だからだという事のようだ。

プフェンダーは兄がサイオキシン麻薬で逮捕されそのためプフェンダー男爵家の建て直すべく軍を離れざるを得なかった。そして代わりに俺がグリンメルスハウゼン艦隊の参謀長になり武勲を挙げた。

面白くなかっただろう、おまけにサイオキシン麻薬摘発のきっかけも俺だった。という事でノルデンに続きプフェンダーも俺に恨み骨髄との事だ。

シューマッハが話してくれた後、俺はあまりの馬鹿馬鹿しさに呆れ果てていた。そんな俺にリューネブルクが“恨まれてますな、まあ、いい男が恨まれるのは世の常です“と嬉しそうに言いやがる。余計なお世話だ、この野郎。

まあ問題は誰が指揮を取るかだな。階級から言うとシュターデン、クライスト、ヴァルテンベルク、グライフスの四人から選ばれることになるかな。クラーマーとラーゲルは地上戦だ、選ばれる事は無いだろう。

場合によっては指揮権を巡って仲間割れも有り得るか。このあたりは良く見極める必要があるだろう。指揮権が分割され作戦が滅茶苦茶になるという可能性もあるだろう。そうなると相手の動きは読み辛くなる、要注意だな……。


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