暁 〜小説投稿サイト〜
トラベル・トラベル・ポケモン世界
13話目 本質
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スなんですか? 空を飛ばないし、“コットンガード”と“アイアンテール”もなんか変ですし、なぜか“ドリルくちばし”を使えますし」
「よく言われるよ。君のポケモンは本当はチルタリスじゃないのでは? とね。でもね、本当はチルタリスじゃないとか、鳥ポケモンなのに飛んで戦わないとか、そんな事はどうでもいいんだよ」
 そして相手トレーナーは言葉を続ける。
「チルは鳥ポケモンなのか? チルはチルタリスというポケモンなのか? そんな事は関係ないんだよ。だって、チルはチルなんだからね」
 相手トレーナーのその言葉を聞いた時、グレイはゴンの言葉を消化できた気がした。
(この人はチルタリスを、チルタリスというポケモンの種類として見ているんじゃなくて、目の前にいる生き物をありのままに見ているんだ……これこそが本質。きっとそういう事だ)
 そしてグレイは、目の前の男が倒れたチルタリスをモンスターボールに戻さずに、自分で背負っている姿を見た。そのトレーナーとチルタリスの関係は、人間とポケモンの関係というよりは、人間と人間の関係に近いようにグレイには思えた。
 グレイの目の前に広がる光景は、試合に負けた格闘家の選手と、それを介抱する格闘家選手のコーチ、そのようなものであった。
(この人にとっては、『ポケモン』という分類すら意味の無いものなのかもな。あの人にとってチルはチル以外の何者でもないんだろうな……)
 グレイは、常識外れなチルタリスを使うトレーナーとのバトルを経験し、新たな考え方を多く得たのであった。


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