13話目 本質
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盾が生えているような不自然な光景が広がっていた。
相手のチルタリスは、尻尾が変形した盾で、ギャラドスの突撃を防いだ。
(あれも、『チルの“アイアンテール”』っていうことなんだろ?)
グレイには自然とそう思えるようになった。
突撃を盾で防がれたギャラドスは、尻尾を巻き付かせてチルタリスを捕え、そのまま上空へ放り投げた。そのまま上方向にいるチルタリスに“たきのぼり”を放つ。
チルタリスは盾で防ぎきれず、ダメージを受けて天高く吹っ飛んだ。
ギャラドスは追撃するためにチルタリスの上に回り込んで攻撃するが、それは相手の盾で防がれる。
「チル! “コットンガード”だ!」
再び、グレイの知っている“コットンガード”とは違う謎の攻撃『チルの“コットンガード”』が放たれた。ガチガチに硬くなった翼で殴られ、ギャラドスは落下する。
「チル! “ドリルくちばし”」
(はあ? “ドリルくちばし”!? チルタリスは“ドリルくちばし”を使えるポケモンじゃないだろ!?)
相手トレーナーが指示した技に、グレイは動揺を隠せない。
チルタリスは、クチバシを中心に体を回転させて相手に突撃する飛行タイプの攻撃技“ドリルくちばし”で、落下するギャラドスを攻撃する。
地面に墜落したギャラドスに、なおも“ドリルくちばし”を続ける。
ギャラドスの体の上で、突き刺したクチバシを中心に回るチルタリスは、まるでコマのようである。
(チルタリスなのに“ドリルくちばし”を使うとか……あいつ、もう何でもありだな……そのうち地面の中を移動し始めるんじゃないか?)
そんな事をグレイは思った。
ギャラドスは素早く体を揺らし、相手のチルタリスを振り払う。そして上空へ飛び立ち、チルタリスを押しつぶそうと落下する。
「チル! “ドリルくちばし”で穴を掘るんだ!」
相手トレーナーの指示で、チルタリスは“ドリルくちばし”で地面に穴を開け、穴の中に隠れた。
ギャラドスの攻撃が外れたタイミングで、チルタリスがギャラドスの横の地面から現れ、そのまま“ドリルくちばし”を当てる。
(マジで地面の中を移動しやがった……)
グレイは驚き、そして相手のチルタリスの可能性について考えるのをやめた。これ以上に考えると、考えてしまった事が実現しそうで怖かったからである。
「君のギャラドスは強いね。チルが1対1のバトルで負けたのは久しぶりさ」
「あなたのチルタリスも、強かったですよ」
バトルの後は互いを称え合う。
バトルはグレイのギャラドスの勝利に終わった。
相手のチルタリスは、上に向けて放たれる“たきのぼり”を防ぐ有効な手段を持っていなかった。これがグレイの大きな勝因であった。
グレイは思った事を率直に言う。
「あなたのチルタリスって、本当にチルタリ
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