第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#3
STRENGTHV 〜Sacred Lovers〜
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元凶」 を
透明なローズレッドの瞳が正鵠に捉えた刹那、
戦技無双のフレイムヘイズ “万条の仕手” が
全力で繰り出す流式名が静かに奏でられた。
光条乱舞。桜霞の哀別。
“夢幻” の流式
『熾 天 使 の 夜 想 曲』
流式者名−ヴィルヘルミナ・カルメル
破壊力−A++ スピード−A+ 射程距離−最大半径300メートル
持続力−C 精密動作性−A++ 成長性−C
両腕を広げた淑女が躰を反転させながら繰り出した桜霞の光条は、
まさに闇の彼方を切り裂く幻想の旋律。
炎を纏ったリボンが殆ど音を発するコトもなく
刻刃の集群を触れた先からバラバラにし、
飛び散った残骸は炎に包まれて灰燼と化す。
数多ある 【ゾディアック】 の中でも、
宝具、武具に拠る攻撃を主体とする焔儀領域。
ジョセフの放った流法とは全く対照的な “静” の奥義。
優麗なる淑女が放った流式により、刻刃の大嵐は一斉に散華し
遠隔に位置するソノ元凶までが影のまま海中に堕ちた。
(……なんて業だ。
アレだけの射程距離にも関わらずパワーが微塵も落ちていない。
ボクの 『E × E』 と同等、
イヤ、瞬発力とキレならソレを上回る……ッ!)
元がスタンドで在る以上、どれだけ修練しても会得出来ない
能力の特異性に翡翠の美男子が驚愕を漏らす傍らで、
「……惚れた」
躯を朱に染めた銀髪の青年がその青い瞳を月光より煌めかせて呟いた。
(えッ!?)
(ハァ!?)
一体どこを視ていたんだ、というか何を考えているんだと
ジョセフと花京院が唖然とした表情を向けるのに気づかず、
ポルナレフは月下に彩られる淑女に瞳を奪われている。
「……」
対してその淑女は、青年の注ぐ情熱的な眼差しとは正反対の冷めた視線を返した。
(異能者とは言っても、所詮フレイムヘイズには、遠く及ばないようでありますな)
(脆弱)
先刻からの戦い振りは飛び乗ったブリッジの最上部から見ていたので、
淑女と被契約者は厳然とそう評する。
人間の中にも、何らかの突然変異によって
“ミステス” に酷似した能力を有する者が現れる
という話を何度か耳にした事が在るが、
実際は風評ほどのモノではなかった(視るべき処が在るのは真ん中の老人のみ)
精々 “アノ方” の護衛、使命遂行に於ける
雑事の為に従えているといった所だろう。
香港で偶然再会した “弔詞の詠み手”
(その雰囲気がまるで変わっていたのに驚かされた)
から色々話は聞いていたが、どうやら懸念は杞憂に終わりそうだった。
無論場所が場所だった為に、
こうして再会までの段
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