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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#3
STRENGTHV 〜Sacred Lovers〜
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当は不埒な行為に対し一発位殴ってやりたかったが)今は戦闘中なので
彼女は儀礼的に返す。
「……フレイムヘイズ、ヴィルヘルミナ・カルメルであります。
礼は無用、ただの成り行きなのであります」
(慮外)
 普段感情を殆ど現さない彼女にしては珍しく、
不機嫌さを露わにした表情に髪を飾る被契約者は
(それ以上に解り難い)驚嘆を漏らした。
「フレイムヘイズ? それでは “シャナ” と同じ……」
「シャナ? それは誰のコトでありますか?」
 問いかけた美男子の疑念を淑女は疑問で遮る。
「皆! 問答はそこまでじゃッ! また来るぞッッ!!」
 状況を彼なりに整理し、今は間近にある脅威を打破するのが
先決だと判断したジョセフが声を荒げる。
 暗闇の更に向こう側から、その反対方向からも、
今までで最大量の刻刃がザワザワと蠢きながら集まってきていた。
「確かに、このままでは、会話もままならないでありますな」
 一体どこから出したのか、
躰を取り巻く無数のリボンを携えたヴィルヘルミナが
冷たく鋭い視線で周囲を警戒する。
「安心しな。アンタはオレが護ってやるぜ」
 当然のように己の脇へ佇んだ、
ポルナレフとかいう軽佻な男が馴れ馴れしくそう告げる。
 自分に助けられておきながら、
どうしてそのような尊大な物言いが出来るのか?
この男の思考回路が理解出来ない。
 何よりこの手のタイプは苦手と言うより嫌いなので、
ヴィルヘルミナは視線を一切交えず告げる。
「余計なお世話、あります。長居は無用。
次の一合で決めるのであります」
 背後で澄んだ口笛を吹く男から離れ、
メイド服姿の淑女は淡々とした歩調で迫る刻刃の中心部へと立つ。
 すぐに駆け寄ろうとする者達に背を向けたまま、
彼女は闃然(せきぜん)とした口調で警告する。
「手出しは不要。出来るだけ私から離れるのであります。
『巻き込まれても』 責任は取らないのであります」
 そう言う間にも刻刃の大群は互いに軋りながら周囲を覆い尽くし、
全 方 位(オールレンジ)から一斉にその嫋やかな()をズタズタにしようと
襲い掛かる。
 ソレに対し淑女は、細身の割りにふくよかな胸の前で
緩やかに両腕を交差させる、祈りのような構え。
 純白のリボンが絡み付く指先には、
独特の形容(カタチ)を執る印が結ばれている。
 同時進行して全身から立ち上る火の粉の許、
彼女の存在を司る焔儀領域の深名が発せられる。
「 “桜 蓮 漆 拾 陸 式 麗 滅 焔 儀(セイクリッド・ヴァレンタイン・ブレイズ)” 」
 継いで、躰中の至る処から爆発的に湧き出る百を超えるリボン、
そのスベテに桜色の炎が走り白き薄刃は “燃えもせず” 空間に滞留する。
 そして迫り来る刻嵐の 「
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