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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#3
STRENGTHV 〜Sacred Lovers〜
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幾ら巨大でもスタンドはスタンドだから、
本体が傍にいねーとここまでの精密動作は不可能な筈だ。
こっちの疲労に併せて攻撃も変えてきやがるしよ」
(近くに、いる? 見ている? それなら……)
 承太郎の言葉に、刹那の直感が過ぎった少女はソレを明確な形にする為
思考を巡らせる。
 そのとき。
(!!)
 全く逆方向からの、存在の感得。
 新たなる紅世の徒!?
 否、コレは、どこかで感じたコトの在る。
 とても、優しくて懐かしい…… 
「シャナッ! 何ボサッとしてるッ!?」
(!?)
 承太郎の言葉で我に返った時は、巨大な軟体生物(アメーバ)のように
流動する鋼鉄の壁が目の前に迫っていた。
 旧誼の存在感に、不覚にもアラストールまでが意識を此処から離していた。
 生身の左手で強く突き飛ばされ、代わりに承太郎が融解した壁に取り込まれる。
 失態の悔恨も窮地に於ける判断も全て吹き飛び、
言葉より速く少女は青年に飛びついていた。
 握っていた贄殿遮那が、剣士の命ともいうべき愛刀が、音を立てて床に転がる。
「バカッ! 離れろ!! おまえまでッッ!!」
「やだッ!」
 青年の胸元で駄々を捏ねるように、少女は小首を振ってその襟元にしがみつく。
(ッ!)
 声を荒げていた彼の表情が、幾分和らいだ。
 攻撃は、止んだ。
 耳に痛くなるような静寂が周囲を充たした。




   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッッ!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ!!!!




「グフッ、グフッ、グフフフッ!」
 籠もったような獣の笑い声が暗闇に響いた。
「ウキャッ! クキャッ! ウキャキャキャキャキャキャ!!」
 心底嬉しそうな鳴き声が壁、床、天井、至る所から漏れ出る。
「エテ公がぁ、勝ち誇ってやがる……!」
「この船スベテが自分のモノ、どうする事も出来ないだろう?
って言ってるみたいね。確かに身動き取れないけど」
 歪曲した鋼鉄に取り込まれ、真正面から寄り添うような形で壁際に拘束される二人。
 特にシャナは両腕を鉄管で幾重にも巻き絡められ手の甲を背後に、
決して炎弾を撃てないように縛られている。




 ズズ……ズズズズズズズズズズズズ……ッッ!!




 もう身を隠す必要は無くなった為、
巨大なるスタンド、ソノ悍ましき 「本体」 が右斜めの壁から姿を現す。
 その欲情に混濁した瞳は承太郎を見ていない、
あくまで己が眼をつけた雌、
今や完全に無抵抗状態となったシャナに向けられている。
 パイプを銜えた口から粘性のある唾液が滴り落ち、異様な獣臭が漂った。
「ウギャッ! ギャハハ!
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