第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#3
STRENGTHV 〜Sacred Lovers〜
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りに掻く。
「それと、いい加減その手を離して欲しいのであります。
さっきより圧迫が強まっているのであります」
「万死」
調子づいた笑い声が止まり、メイド姿の淑女は一生懸命その躯を押し返した。
【2】
甲板上での凄惨な戦いより前から、その内部では既にソレ以上の死闘が始まっていた。
スタンド 「本体」 が姿を見せていないにも関わらず、
周囲の壁は歪み床は蠕動し配管は群を成した蛇のように周囲を這い回る。
「承太郎! 後ろッ!」
声と同時にシャナが大刀を振り下ろし天井から回転したまま落下してきた
換気扇のプロペラを両断する。
「スタープラチナッッ!!」
息つく間もなく少女の側面で割れた窓ガラスの破片を、
音速で動くスタンドの右手が指の隙間で全て受け止める。
互いが互いをフォロー出来る間合いを保ち、
背中を預ける状態で何とか敵スタンド 『ストレングス』 の猛攻を凌いできたが、
矢継ぎ早に来る鋼鉄の怪異に体力と神経を削られ流石の二人も疲労の色が濃い。
「タチ悪いわねぇ……ッ! 姿を見せずにジワジワと!
コレなら顕現した王の方がよっぽどマシよッ!」
「野生動物は決して危険は冒さねぇ。
時間と手間はかかっても、100%狩れる方法を取る。
ド頭カチ割った事で怒り狂うかと想ったが、やれやれ意外に冷静なエテ公だ」
学帽の鍔で目元を覆いながら、
それでも何処かに潜んでいる本体の痕跡はないかと
承太郎は視線を巡らせる。
ガシュンッッ!!
その背後で、熱源も無いのに強固な造りの防火扉が閉まった。
「仲間と繋がるルートを塞いだか。
イヤ、この分だと既にジジイ達も、攻撃を受けていると判断すべきだな」
「だったらあんな壁、ブッ壊すッ!」
傍にいる無頼の貴公子の影響か、
最近言葉が荒っぽくなってきた少女の肩をその張本人が制する。
「やめとけ、100% 「罠」 だ。
またあのエテ公と二人っきりになりてーんなら止めねーがよ」
「絶対イヤ!!」
振り返ったシャナが顔を真っ赤にして言った。
その間にも眼前から迫る、スタンドの脅威。
暗闇の向こう側から器物の留め金として使われていた夥しい数のボルトとナットが、
弾丸のような速度で飛来してきた。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!!!!!」
「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
承太郎はスタンドの連撃でシャナは自在法の炎弾で、
襲い来る鋼弾を砕き燃え散らす。
「ハァ、ハァ、このままじゃ、マズイわね。
何とかしてあの猿本体を叩かないと、いずれは力尽きるわ」
「……同感だな。近くにいるのは間違いねーんだ。
何しろ狙いが正確過ぎる。
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