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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十六話 過去の話
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全の腹部に押し当てる一歩寸前だ。
〈俺はこの部屋の主であるはやての友人だ。今日は不本意ながらもはやてが駄々をこねたので渋々一緒に寝ていた〉
〈私は主はやてを守る闇の書の管制人格だ。名前はない〉
二人はお互い自己紹介した後、そのままの姿勢で数秒ほど、固まっている。
と、不意に全はシンを下げ腰にある鞘に納める。
〈?どうした?〉
〈君にはやてを傷つける気がないと目を見てわかった。だから引いた〉
〈……わかった。こちらも手を収めよう〉
そう言ってリインフォースも魔力を霧散させる。
〈それで?君はこれからどうするんだ?〉
〈私には主を守るという使命がある。それ故にこの家に寝泊まりする気だが……〉
〈まあ、それは別に構わないが……というか、俺が許可出しても意味ないんだが……〉
〈うぅん、なんやぜんくん、なんでおらんの……?〉
と、先ほどまで寝ていたはやてが起き上がる。
そして目をごしごしと削りながら全と全と隣り合って立っている見覚えのな少女の姿を目にした。
〈ああ、起こしてしまったかはやて〉
〈…………あ、あ…………〉
〈?どうかしたのですか、主?〉
〈………………う、うわきや〜〜〜〜〜〜!!!!!〉
〈〈ちょっ!!!??〉〉
いきなり浮気と言って泣き出す小さいはやて。その後、ドタバタとしているせいか、映像が先ほどからぐらぐらと揺れており視点が定まらない為、三人は視線をモニターから外す。
「……………………………」
しかし、はやての顔は真っ赤だ。それも仕方ないだろう、小さい頃の自分が全とリインフォースが一緒にいる所を見て浮気と言ったのだ。真っ赤にならない方がおかしい。
「うわぁっ!!はやてちゃん、大胆ですぅ!!」
「リイン!!今それを言わんといてぇ!!!」
リインフォースUの言葉にさらに真っ赤になるはやて。
「あぁ、この頃は幸せだったな……まさか、映像で見れるとは思わなかったけど……」
そんな哀愁じみた感じを出しながらそう呟いた全の存在にテンパるはやては気づく事はなかった。
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