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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十六話 過去の話
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れ?これってうちの部屋やん」
そう、モニターが映し出したのははやての部屋。その部屋のベッドの上でモゾモゾと動く二つの何か。
そしてそれはすぐにわかった。
〈うぅん、ぜんくん……〉
〈すぅ、すぅ……」
眠っている二人とは、はやてと全なのである。しかもはやては全に抱きついている。
「うわぁぁあああぁぁぁぁぁ!!!???小さい頃のうち、なにしとるん!!!???」
「ああ、そういえばあの時一緒に寝てって駄々こねられたんだっけ……」
小さい声で爆弾を投げ込んできた全。しかし、取り乱しているはやての耳には聞こえなかった。
〈うぅん……〉
〈……ん?〉
と、映像の中の全がのそりと起き上がる。
その時、
〈
Anfang
(
起動
)
〉
機械的な音声が鳴り響く。しかし、熟睡しているのかはやては起きない。つまりこの部屋の異変に気付いているのは全だけだ。
〈なんだ?〉
と、全は以上の原因を見つけた。本だ。表紙に剣十字が描かれている本。はやてはそれに見覚えがあった。
「あれって闇の書?え、でもこの本が起動したのって、まだ先の話じゃ……」
『そうです。この時、本来なら闇の書は起動する筈がありませんでした』
はやての疑問にリインフォースが答える。
『そもそも、闇の書は高い魔力適正のある人間を選び、主とします。そしてそれが主に該当しました。ですが、この時、闇の書はもう一人の魔力適正に呼応され、起動したのです』
「もう一人って……」
「そう、俺だ。闇の書は俺の魔力に反応して起動した。この時、俺は既に自身の魔力に気付き鍛錬していたからな。それに反応したんだろうよ」
『そうです。しかし、本来の主は主はやてのみ。イレギュラーな起動により闇の書は一部の機能しか起動しなかった。守護騎士システムも機能せず』
そして映像に視線を戻すと、闇の書の置いてあった場所を中心に魔法陣が広がる。それはベルカ式の魔法陣だ。そして何かが構築されていく。
〈起動……起動……起動……え?〉
そこに現れたのはリインフォースだった。しかし、その姿は小さい。当時の全達と同じ位の身長だろうか。
『私だけが、不完全な形で起動したのです』
〈な、なぜこのような中途半端な起動に……それも、私が現界し守護騎士システムが起動していない?なんだ、なぜこのようなイレギュラーな覚醒が……〉
〈貴様、何者だ?〉
〈…………貴様こそ、何者だ?〉
全は即座に立ち上がり、デバイスであるシンを起動。一瞬で呆けていたリインフォースの後ろを取り、シンをリインフォースの首元に突きつけている。
しかし、リインフォースも寸前で気づいたのか、魔力の塊を左手に構築。それを後ろ手ながらも
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