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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
第三十六話 過去の話
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自分、と。

しかし、それならばおかしい。リインフォースは自身の意思で闇の書の闇、防衛プログラムと共に天へと還っていったはずだからだ。

『今から、それをお見せします。しかし、主にはある種覚悟してもらわなければいけません。それでも、構いませんか?』

「……うん、大丈夫や。うちは知りたいんや。お母さんやお父さんがどうしてこの部屋にこの写真を置いてたのか……」

『……わかりました。お見せします』

そして、リインフォースが消え、その場にモニターが表示される。

『あれはまだ主が小さい、本当に小さいまだ五歳の頃でした。ある時、主は一人で車椅子で公園へと向かいました。しかし、不幸な事に車椅子の車輪が偶然にも出来ていた穴に嵌まってしまい、身動きが取れなくなってしまったのです。通行人などはその姿を見はしますが、誰も主を助けようとはしませんでした。しかし』

〈う、動けん……〉

〈よっと〉

〈……え?〉

映像の中のはやての車椅子の持ち手の部分を誰かが持ち上げた。それにより車輪は穴から脱出できた。

〈大丈夫かい?お嬢さん〉

〈あ、ありがとうございます〉

はやてを助けたのは茶髪の男性だった。茶色の髪を無造作にしており、顔は整っている。いや、少しチャラい印象を感じる。身長は190位と長身だ。

〈いやいや、お礼はいらねぇよ。当たり前の事をしただけだ。お嬢さん、名前は?〉

〈?八神はやて、ですけど?〉

〈八神ちゃん、ね。確か、近所に八神ってあったよな……あそこかな?〉

〈あ、あのうちは大丈夫ですから……〉

〈いやいや。お嬢さん一人じゃ危なっかしいって。俺に任せとけ〉

〈……それなら、お願いします。お兄さん、名前は?〉

〈俺か?俺は秀二。橘秀二だ、以降よろしく!〉

「橘?橘って……」

映像の中の男性が橘と名乗った瞬間、はやてが全に問う。

「ああ、あの人は正真正銘俺の父さん、橘秀二だよ」

『そう。これが全の父親である秀二殿と主の出会いでした』

「何か……似とらんな……」

そう、はやてはそこも疑問だった。大体、子供というのは両親のいづれかに似る物。だというのに全の髪色は黒でその父親の髪の色は茶色。髪色まで変わるだろうかとはやては疑問に思ったのだ。

「俺は伯父さん似らしくてな。伯父さんの髪色は黒だ。まあ、気軽に会いにはいけないけどな」

「そうなんか?」

「ああ、それよりも続きがあるぞ」

『その後、主達一家と橘一家は家族ぐるみで仲良くなりました。中でも同い年という事も相まって全と主は大層仲良くなられました。そんな中、でした』

と、映像が再び再生される。暗闇の中を映し出すモニター。どうやらどこかの部屋らしい。

「あ
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