第五章
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「シャルワール自体もね」
「いい感じよね」
「動きやすいでしょ」
「ええ、涼しい感じでね」
実際に着てみての言葉だ。
「露出もないのに」
「いい服でしょ」
「しかも可愛いから」
デザインのこともだ、シャハラザードは言った。
「いいと思うわ」
「それじゃあこの服で決まりね」
「女の子に着てもらって」
「営業するわね」
「それじゃあね」
「ええ、早速今日からね」
これまでは店の制服はなくエプロンを着けてもらうだけであったがだ。
「そうしてもらうわ」
「それじゃあね」
「それとシャルワールはね」
マルヤムは娘にこの服のことをさらに話した。
「ズボンのことよ」
「それのことなの」
「そうよ」
その通りというのだ。
「今あんたが穿いているその幅の広いズボンのことよ」
「そうだったの」
「夏はそのままで冬は下に何か穿くか裏地を付けるから」
そうして着てもらうというのだ。
「それでいいわね」
「ええ、それじゃあね」
「今日からよ」
「着て働くのね」
「頑張ってね」
こうしてだ、シャハラザードも店の女の子達もシャルワールを着て店で働くことになった。すると客達はシャルワール姿の彼女を見て口々に言った。
「あっ、可愛いじゃないか」
「いい服ね」
「見栄えがするな」
「お店に華が出て来たじゃない」
老若男女の客達は皆彼女達を見て笑顔で話す、シャルワールはかなり好評で。
それ目当てで来る客も出来たうえ常連客が来る回数も増えてだ。店の売り上げは回復どころか上昇した。
それを見てだ、スレイマーンはある日閉店してから家族に言った。
「シャルワールのお陰だな」
「そうね、本当に」
「シャルワール様々ね」
マルヤムもシャハラザードもその通りだと答えた。
「お店の売り上げは上がったわ」
「お客さん明らかに増えたわよ」
「当たったわね」
「いい具合にね」
「ああ、工夫だな」
ここではしみじみとしてだ、スレイマーンは言った。
「料理や酒、内装や清潔さだけじゃないな」
「こうした工夫も必要なのね」
シャハラザードもしみじみとして言う。
「いや、本当に」
「そうだ、御前も覚えておけよ」
「私がお店継ぐからよね」
「そうだ」
一人娘だ、ならそうした話になるのは当然だった。
「じゃあいいな」
「ええ、覚えておくわね」
「そういうことでな、じゃあこれからもシャルワール着てもらうからな」
シャハラザードもというのだ。
「店で働いてもらうからにはな」
「これからはお母さんも着るわね」
マルヤムも言う。
「お店で働いているからにはね」
「お母さんもなのね」
「そうするわ、じゃあいいわね」
「ええ、じゃあ皆で着て」
「お店の売り上げに貢献しま
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