第四章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「買って来るわ」
「そうなのね」
「それでね」
さらに言う彼だった。
「明日あんたにモデルになってもらうわ」
「私がなの」
「あんたもお店で働いてるし」
「お小遣い貰ってね」
逆に言えばお小遣いを貰わないと動かないのだ、この辺り実に現金なシャハラザードだ。
「そうしてるから」
「ええ、じゃあね」
「モデルになってもらうわ」
「わかったわ」
こう話してだ、そのうえで。
シャハラザードは実際にそのシャルワールのモデルになることが決まった。彼女は次の日まずは学校に行った。
そして学校から帰るとだ、早速母に言われた。
「行った通りにね」
「シャルワールね」
「買って来たから」
「早速ね」
「だから安く売ってるお店を知ってるからよ」
「そのお店近くにあるのね」
「市場にね」
イスタンブールのそこにというのだ。
「あるからよ」
「だからなのね」
「もう買って来たの」
まさに早速、というのだ。
「お父さんと一緒にね」
「それじゃあ」
「ええ、お父さんは今日の仕込みをしてるから」
店に出す料理のそれをだ。
「だからね」
「お店の奥にいて」
「そう、私達はよ」
「そのシャルワールをなのね」
「チェックするから」
「じゃあ今から着るわね」
シャハラザードは自分から言った。
「服頂戴」
「それじゃあね」
母も頷いてだ、早速だった。
その服を出してきた、シャハラザードは受け取るとすぐにだった。その服を持って自分の部屋に入ってだった。
着替えてみた、そのうえでまずは家の鏡で服をチェックしてみると。
白いシャツの下は紫地で金色のアラベスク模様が入ったスカートだ、いやスカートに見えるがそうではなかった、
足を広げるとズボンであるのがわかる、膨らんだバルーン状の袋のそこい左右一つずつ穴がありそこから足を出して穿く。腰周りには通された紐がありそれを締める。その腰の部分は黒地でそこにも金色のアラベスク模様がある。ズボンの裾のところはすぼんでいる。しかもかなりゆったりとしている。
シャツの上にボレロ型のカフタンを着ているが色は黒で裾や袖、端のところは金色に刺繍されていてかなり眩しい。これは頭に被っているトーク帽も同じだが帽子は緑と白の草模様が金色の他にも入っている。
その自分のシャルワール姿を身てだ、シャハラザードは思った。
「いけるわね」
笑って呟いた、そして母にもその姿を見せると彼女にも言われた。
「いいじゃない」
「お母さんもそう思うでしょ」
「あんた私に似て美人だからね」
「お母さんになのね」
「そうよ、お母さんは美少女で有名だったのよ」
笑って自分のことを言うのだった。
「そのお母さんに似たからよ」
「私も美少女で、っていうのね」
「似
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ