第六章
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「左袖は腰から背中に回して右側に出す」
「そうするんだ」
「袖の先は右袖に巻き付けて後は袖を締めたり緩めたりして全体のバランスを取るんだ」
「一回聞いただけじゃわからないよ」
「そうだろうね」
「ここまで大きくて着るのが複雑だと」
それではとだ、邦臣はビジネスの話をした。
「ちょっとね」
「制服にはだね」
「無理があるね」
「じゃあ制服は」
「もっと話していこう、ただ」
「ただ?」
「この服は目立つから」
カラカについてだ、邦臣はこうも言った。
「広告とかには使えるかもね」
「そちらにだね」
「うん、目立つ服だから」
「じゃあそっちで検討するよ」
「民族衣装だね」
「そうだよ」
「民族衣装はその国の人達に視覚でも心でも訴えるから」
この効果があるからというのだ。
「広告、宣伝でね」
「使えばいいね」
「そう思うよ」
「それは何よりだよ、では妹は」
その美少女を見てだ、マサムは邦臣にあらためて話した。
「ご主人の家に帰ってもらうよ」
「あれっ、この娘結婚してるんだ」
「そうだよ、一年前にね」
「まだ二十歳位なのに」
「こっちじゃ結婚が早いからね」
日本に比べてというのだ。
「だからね、僕も学生結婚だし」
「初耳だよ、それ」
「日本でも夫婦で暮らしていたし」
「それも初耳だし」
「ははは、言わなかったかな」
「だから全部初耳だよ」
邦臣は口を尖らせてマサムに言った。
「僕なんかまだ彼女もいないのに」
「君はそちらも頑張らないといけないみたいだね」
「自覚はしているよ」
「じゃあそっちもね」
「頑張るさ、じゃあ今から」
「うん、今は仕事の話を忘れて」
そしてというのだ。
「折角家に来たんだ、もてなすよ」
「悪いね」
「客人はもてなす、アラブのならわしだよ」
笑顔で応えたマサムだった、そして彼は実際に妻が作った馳走で彼をもてなした。そして仕事の話は昼にしてコンビニのノウハウを伝えて制服も決めた、二ヶ月でやるべきことを全てやり。
邦臣は他のスタッフ達と日本に戻る日が来た、邦臣は空港でマサムと別れの挨拶をしたがこの時にマサムに言った。
「じゃあまた」
「うん、また会おう」
「その時を待っているよ」
「楽しみにだね、そして君が結婚したら」
その時はというのだ。
「僕に伝えてくれるかな」
「うん、そうさせてもらうよ」
「その時はカラカを贈るから」
「プレゼントとしてだね」
「そうさせてもらうよ」
「じゃあその時を楽しみにして」
そのうえでとだ、邦臣はマサムに笑顔で応えた。
「婚活も頑張るよ」
「是非ね」
友人として笑顔で話をしてだ、邦臣は彼と別れた。
そして日本に戻って一年程経って彼も結婚出来た、努力のかいあっ
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