第五章
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唸ってだ、こう言った。
「君の叔父さんが石油王だけあって」
「何かな」
「凄い家だね」
「いや、一族だとね」
笑ってだ、マサムは運転手が運転している車から降りて共にその車に乗っていた邦臣に対してこう言った。
「これ位の家はね」
「小さい?」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「これ位はね」
「そう言えるのがね」
邦臣、日本にいる彼からしてみればだ。
「凄いよ」
「そうなんだ」
「相当にね」
こうマサムに言った、彼に顔を向けて。
「立派な一軒家だよ」
「そういえば日本の家は小さいね」
「残念ながらね」
「居住設備はいいけれど」
「広さはないよ」
日本の居住関係はどうしてもというのだ。
「何しろ狭い国土に一億以上いるから」
「国土は狭くないよ」
「世界全体から見たらだね」
「決してね」
「そう、ただね」
「一億以上いるからだね」
「そう、あの国土にね」
山岳地帯、居住に適さないこの地域が七割以上占めることもあってだ。
「それだけにね」
「狭く感じるんだね」
「そうだよ、それでカラカか」
「妹に連絡をして着てもらってね」
そのうえでというのだ。
「待ってもらってるよ」
「それじゃあ見せてもらうよ」
「さて、カラカはビジネスに使えるか」
こうしたこともだ、マサムは言った。
「それも問題だね」
「まあ制服は清潔で動きやすい」
「その二つだね」
「このことが絶対だけれどね」
「じゃあそのことも踏まえて」
「見させてもらうよ、カラカを」
こうしたことを話してだ、そしてだった。
二人はマサムの家に入った、そのうえで。
家に入るとだ、こ黒髪で優しい顔立ち、細い眉に琥珀色の大きな瞳を持つ少女がだった。
濃い藤色のゆったりとした身体全体を覆う服を着ていた、頭には大きな赤地にアラベスク模様の帯がある。その服についてだ。
マサムは笑顔でだ、邦臣に話した。
「これがカラカだよ」
「そうなんだね」
「どうかな」
「うん、何か身体全体をゆったりと覆っていて」
「いいね」
「独特の趣があるね」
「ヨルダンは周りに国が多くて」
マサムは自分の国の事情も話した。
「アラブの真ん中にある感じでね」
「そうした立地だからだね」
「周りから色々と影響を受けてね」
服にしてもというのだ。
「こうした服になったんだ」
「そうなんだ」
「実はこの服は身丈が二メートルか三メートルあるんだ」
「それは本当かい?」
邦臣はこのことは信じられずマサムにすぐに問い返した。。
「そんなに長いんだ」
「まずは長い袖に注意しつつ頭から被って」
マサムは着方も説明した。
「着終わったら裾をたくし上げてたくし上げた部分は腰帯で固定してそこから右袖を
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