第二十六話 退所その五
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「そのうちの一セットをね」
「僕にくれるんですか」
「どちらもかなりの威力があるから」
だからというのだ。
「三人位でもね」
「バットを振り回せば」
「撃退出来るわ」
「副所長そこまでされてるんですね」
「実は祖母に言われたの」
「お祖母さんにですか」
「祖母は薙刀の先生だったの、書道の先生でもあったけれど」
その祖母がというのだ。
「自分の身は自分で守るもので」
「そうしたものも備えておくべきってですか」
「私に教えてくれて」
「スタンガンやバットをですか」
「持ってるの、私は薙刀とか武道は出来ないけれど」
それでもというのだ。
「そうしたね」
「護身のものは持ってるんですね」
「スタンガンやカラーリングボールはいつも持ってるわ」
「あのぶつけてペイントする」
「そう、ああしたものを持ってると違うの」
それだけでというのだ。
「いい護身になるわよ」
「だから僕もですね」
「持っていてね」
「わかりました」
優花も副所長のその言葉に頷いて答えた。
「じゃあ私も」
「そうしてね」
「自分の身はね」
「自分で、ですね」
「守るものだから」
副所長はこのことを強調して優花に話した。
「お部屋の中でも用心よ」
「それが大事ですね」
「そういうことよ、いいわね」
「バットですか」
「本当に護身にいいのよ」
「特に金属バットはですね」
「軽くて女の子にも扱えるし」
このことが非常に大きかった。
「しかも威力があるから」
「凄くいいんですね」
「そうなのよ、凶器にされたら厄介だけれど」
護身用に役に立つものは凶器にされると厄介なものになる、有益なものは転じると有害なものとなるのだ。
「それでもね」
「持っておくことですね」
「警棒でもいいのよ」
「特殊警棒ですね」
「そう、二段のものとかあるわね」
携帯用のそれである。
「それで相手を殴ってもね」
「いいんですね」
「肩を殴ったりしたら鎖骨が折れるわ」
人間の骨の中で折れやすい部分の一つだ、それだけに弱点でもある。
「簡単にね」
「骨折ですか」
「そうしたらそれで動けなくなるから」
「警棒もいいんですね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「だから警棒もね」
「持っているとですか」
「役に立つわよ」
「護身用っていっても色々あるんですね」
「そうよ、よく考えていてね」
「男の子の時は考えていなかったですけれど」
それでもとだ、優花は自分で考えて言った。
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