第百十六話
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蹴りつけられて軽い身体が浮かび上がると、セブンの長髪をフードを被ったプレイヤーキラーは無造作に掴み、まだ目を白黒させているセブンの耳元に呟いた。
「お前はメインディッシュだ。……大人しく利用されてりゃよかったのによ」
その呟かれた言葉に、セブンの思考はある結論にたどり着く。このプレイヤーキラーたちの正体――先日、ルクスを利用してシャムロックと各領の仲違いを狙い、かつてのデスゲームの悲劇の序曲を再現したという連中。ショウキやユウキに壊滅させられたと聞いたが、もちろんこの世界はあのデスゲームではなく、再びログインすればいいだけの話だ。
その計画が頓挫された意趣返しとして、このダンジョンの中で待ち構えていたというなら――『メインディッシュ』という言葉から、これからセブンに何が起こるのか、セブン本人には予想に難くなく。
「っ…………」
痛みにも似た不快な感覚と恐怖から発せられる吐息を呑みながら、ハラスメント警告でも出ていないかと探るものの、ダンジョン内ということもあってか画面は表示されない。もしも表示されたとしても、このプレイヤーキラーがボタンを操作する隙を与えてくれないだろう。そしてセブンには打開策もなく、放たれていた煙幕の煙が遂に晴れていくと、そこには――
「みん、な――」
――セブンはそれ以上の言葉を発することは出来なかった。シャムロックの仲間たちは、隙間なく捕縛されている者以外は、全てリメインライトとなっていた。代償のようにフードを目深に被った妖精の集団が現れており、今し方使っていたような武器を構え、それぞれセブンを見下すように笑っていた。少数ながら捕縛はされているものの、生き残っていたシャムロックのプレイヤーはいたものの、その男性プレイヤーと目が合うと、ばつの悪そうな顔をして目を逸らされた。
「何よ……わたしをどうする気よ……」
「だからメインディッシュだって……おおっと!」
セブンの問いに楽しげに答えながら、セブンの髪の毛を掴んで拘束している、フード付きのリーダー格らしい男は笑う。そして捕縛されたシャムロックのメンバーが、何やら魔法を唱えようと隠れて詠唱しようとした瞬間、その指に装備されたリングをかざしていた。
「え……?」
するとリングが光ったかと思えば、そのプレイヤーが唱えようとしていた魔法は、完成した瞬間にたちまち砕け散った。驚愕に目を見開くものの、魔法を無効化する指輪の話をルクスから聞いていたセブンは、彼らを件のPK集団だと確信する。
「おい、そいつもういいぞ」
リーダー格らしい男の気軽な一言に、捕縛されていた男性プレイヤーは、踏み潰されてリメインライトと化した。足技のソードスキルらしく、拳法家のようなポーズを取ってみせるソレは、次はセブンの方に向か
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