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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#1
STRENGTH 〜The Cyclops〜
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過ぎたか?
まぁ 『今まで視せてなかった』 流法(ワザ)の連携だから無理もねぇが……)
 少女の躰が崩れた時から既に動き始めていた無頼の貴公子は、
スタンドと共に海面へ波紋を描きながら落下してくる少女の傍へと駆け寄る。
 そして着水地点に先回りし、その華奢な躰を受け止めようとスタンドの両腕を広げた。
(まぁよく頑張ったが、ここはオレの作戦勝、)
 心中で呟きながら眠り姫のように無垢な少女の顔を承太郎が見上げた刹那。
(――ッッ!!)
 突如閉じていた双眸が、険難な光を宿しながら見開いた。
( “来てくれると” 想ってたわよ……ッ!)
 まるで空から舞い降りた精霊が、突如邪気に充ち充ちた妖魔へと
変貌を遂げたような衝撃。
 継いで逆鏡の状態から、微塵の容赦もなく大刀の一撃が繰り出される。
( “死んだふり” かよ……!)  
 小悪魔的な微笑を刻む少女を瞳に映しながら、
何故か自分も口元を軋らせて微笑っていると承太郎は認識した。
 ヴァグォォォッッ!!
 波をさざめく炸裂音と共にスタンドの胸部に贄殿遮那の峰が撃ち込まれ、
苦悶と共に後方に吹き飛ばされたスタープラチナと承太郎は
海面に水飛沫を吹き散らしながら前傾姿勢で留まる。
 相手の好意を逆手に取る一見えげつない戦法だが、
対峙している当の二人が微塵もそんな事は感じていない。
 互いに不敵な笑みを浮かべつつ、炎を噴き出し波紋を湧き立たせ、
両者は再度真正面から激突する。
「……ところで、一つ訊いてもよろしいですか? ポルナレフさん」
 瞬きも赦されぬ一進一退の攻防を目の当たりにしながら、
花京院は隣に佇む銀髪の青年に問いかけた。
「どっちが勝つか、かい? 何なら賭けるか? 花京院」
 磊落な口調に、翡翠の美男子は微笑で否定の意を示した。
「失礼ですが、アノ男、DIOとは一体いつ遭遇したのですか?
何分情報が不足しているので、差し支えなければ教えて戴きたいのですが」
「……」
 大らかだった男の雰囲気が、一瞬で重く張り詰めた。
 触れてはいけない 「過去」 想い出したくない 「屈辱」
何れも重々承知していながらそれでも花京院は訊いた。
 己も彼も、共通の恩義と目的を持つ “同類” だから。
「ソレに答える前に、一つこちらからも訊かせてもらおう。
花京院、貴公 “両腕とも右腕の男” を知っているか?」
 冷厳な決意を宿す青い瞳でそう問うポルナレフに、
花京院は意を突かれたように呼気を呑む。
 ここに於ける男とは、当然 『スタンド使い』 のコト。
「知っているのかッ!? 今どこにいるのか解るのか!?
頼む! 教えてくれッ!」 
 花京院の反応から脈を得たのか、ポルナレフは彼の両肩を強く掴み激しく揺さぶった。
「……いいえ、残念
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