コラボ:春人とナオキ。これは、とある日常
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「ねぇナオキさん、これはなんでしょうか...」
とある水曜日の放課後。
僕、高橋春人と一つ年上の先輩である香川ナオキさんはたまたま時間が被ったこともあって一緒に部室にやってきた。
「ん?これドリンクかなんかちゃうの?」
まだ誰も来ていないみたい。だけど僕がまず最初に目に留まったのはテーブルの上の1本のドリンク瓶だ。ラベルの貼られていないただの瓶。
それを錘代わりにして1枚の殴り書きされた紙が置いてある。
あたかも、『変なものです』とアピールしているように。
「どうなん、でしょうね。パッと見怪しすぎるのですが......」
「せやな。何か変なものならせめてラベルくらい貼っとけっちゅうに」
しかし、ドアの前にずっと立っているわけにもいかないので僕達はドアを閉めて瓶に近寄る。
完全無印の中身の見えないただの瓶。だけど、僕には禍々しいオーラを放っているように見える。
ナオキさんは瓶を手に取って中を振ってみたり蓋を開けて匂いを嗅いだりと考察を繰り返す。
「どうですか?」
「ん〜せやね〜。匂いは全くせん、無臭やな。」
「無臭...ですか」
ということは無害、ということだろうか。
そう結びつけるのは早いけど、面倒な事はできればしたくないし巻き込まれたくない。
そもそも無視しておけばいいのにというツッコミはなしで。興味が無いというわけではないから僕は紙っきれに視線を向けてしまうのだ。
ただ、『栄養ドリンク』と書かれただけの紙っきれに。
「春人、これ飲んでみて」
「え!?い、嫌ですよ!!」
「ええからええから。中身が気になるんや」
「だ、だったら僕じゃなくてナオキさん自身が試したらイイじゃないですか〜!」
もう既に蓋を開けて僕に飲ませようと黒い笑みを浮かべてにじり寄ってくる。
割といつもの光景と言われればいつもの光景なので、慣れているけれどナオキさんの手に持っているその意味不明なドリンクモドキは飲みたくない。
その思いは儚くも届かず、ナオキさんに羽交い締めされてしまって身動きが取れない。
「や め て く だ さ い ー !!」
「ええじゃないかええじゃないか〜!」
もがいたところで力の差は歴然。
無駄に疲れるだけであった。
「は、離してーっ!」
「先輩命令や、飲めー」
遂には顎を捕まれ無理矢理口をこじ開けられる。
まずい!このままだと本当に飲まされ───
と、考えた時には既に時遅し。
口の中にエナジードリンク独特と甘味と後味が広がった時には......
──コラボ 春人とナオキ。これは、とある日常 ───
「よし
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