第2章:異分子の排除
第35話「その太刀筋の輝きは」
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「...待て篠咲兄。」
「....ん?」
あの後、事情聴取が終わって桜達が帰ろうとした時、千冬が呼び止める。
「...ここではなんだ。別の部屋で話がある。」
「分かった。」
そういって千冬は桜を連れて別の部屋に移動する。
「(...やっぱ察したか。)」
桜がそう思っていると、千冬が話し出す。
「...今回の襲撃、何か知っているだろう?...いや、何かどころではない、ほとんど知っているだろう。」
「....一応聞くが、根拠は?」
予想通り疑ってきたと、桜は念のために訳を聞く。
「お前のその態度だ。...もし予想していなければ、束同様に何かしらのリアクションがあるからな。だが、平然としているという事は、少なくともそれが予想できる理由があると思った訳だ。」
「なるほど...幼馴染ならではの理由だな。」
具体的な理由ではないが、説得力があると苦笑いする桜。
「ま、千冬の言う通りだ。今回の襲撃者...元デュノア社の連中が襲ってきたのは俺たちの会社がデュノア社を潰したからだな。黒い部分ばっかだからほぼ自業自得なんだけどな。」
「そういうことか...。」
先程襲撃者のラファールを調べた所、既にSEは半分もなかったらしい。
その事から、ほぼ我武者羅だったのだと千冬は思った。
「...大方、デュノアのためか。」
「正解。ま、俺たちの気まぐれって所だな。助けた理由は。」
そう返答する桜に、千冬は“ああ、こういう奴らだったな”と納得した。
「話は終わりか?」
「ああ。...あまり無茶苦茶はするなよ?」
「分かってるって。」
話は終わり、千冬は念を入れて桜にそう忠告し、二人とも部屋を後にした。
「....寮方面はあまり目撃されてない...か。」
一方、部屋を飛び出した箒を追いかけているシグナムは、箒を見失っていた。
「...奴は、剣士としての志を持っていた。...だとすれば...。
一か所、思い当たる場所があり、シグナムはそこへと向かう。
「....やはり、な。」
「...貴女は...。」
「八神シグナム。...直接名乗ってはいなかったな。」
シグナムが向かった先は剣道場。
剣道部が使うその道場の中に、箒は正座で佇んでいた。
「....何の用だ。」
「なに、同じ剣士として、喝を入れに来ただけだ。」
「喝だと?」
箒の聞き返しを無視し、シグナムは立てかけてある竹刀を二つ取り、片方を箒に投げる。
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