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トラベル・トラベル・ポケモン世界
11話目 成長(前)
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視線をグレイに送る。
「冗談じゃねえから」
 グレイは真顔でチョロネコに言葉を投げつけたのであった。
「ほっほ……今のを聞いておったかミニリュウ? 相手のチョロネコに、何としても“アイアンテール”を2回当てるのじゃ! これは……面白いことになったのう」
 高台の上にいるミニリュウは気合の入った鳴き声で、ゴンの言葉に応えた。もう既に尻尾をブンブンと振り回している。
 四面楚歌となったチョロネコはしばらく絶望の表情を浮かべていたが、覚悟を決めたのか勢いよく高台に飛び出し、ミニリュウに“みだれひっかき”をくらわす。
 ミニリュウも“アイアンテール”を放つが、チョロネコはそれを避けて連撃を加える。
 自分の命がかかっているチョロネコは、圧倒的な動きでミニリュウの“アイアンテール”を避けていく。
(すげえなチョロネコ! あいつあんな動けたのか!?)
 チョロネコの動きを見て、悪魔のグレイの方が逆に驚いた。
 なおチョロネコは素早い動きで“アイアンテール”を避けていく。ここで相手のミニリュウは、正面に回ったチョロネコに頭突きをくらわした。
「あ、チョロネコ。相手の技でなくても攻撃を受けたら罰な。今度攻撃をくらったら夕飯は半分」
 突然に追加された死の宣告。チョロネコはもうヤケになったように限界を超えた動きをし始めた。

 チョロネコにとって地獄の時間は終わりを告げた。
 チョロネコはあれ以降、1回も相手の攻撃を受けることなくミニリュウを倒しきった。チョロネコは見事、自分の生命の危機を脱したのだ。
「チョロネコすごいぞ! まさか本当にできるとは! じゃあ次の相手も無傷で倒せるよな?」
 グレイの言葉に、再び絶望の表情になるチョロネコ。
「冗談だチョロネコ! 冗談! そうだチョロネコ、ちょっとこっちに来てくれ」
 チョロネコは素早くグレイの方へ近づき、勢いよく跳んでグレイの立つ高台に降り立った。
「チョロネコ、よくやった! お前にそんな底力があるなんて、今まで気がつかなくて悪かったな」
 そう言いながら、グレイはチョロネコを優しく撫でた。
 グレイの言葉に笑顔を見せたチョロネコだが、突然動きを止め、強く光り出した。グレイはこの光景を他のポケモンで3度見たことがあった。
「進化か」
 強い光が収まった時、チョロネコの姿は変わっていた。チョロネコは進化して他のポケモンになったのだ。
 グレイの目の前には、紫色で(ひょう)のような引き締まった体に、猫のような少し可愛い顔をもったポケモンがいた。れいこくポケモンのレパルダスである。
「おめでとうチョロネコ! レパルダスに進化したんだな!」
 ふとグレイは、呼び方をどうするか悩む。
(試合中にいきなり慣れない呼び方するとお互い混乱するし、この試合中は『チョロネコ』って呼べばいい
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