11話目 成長(前)
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ュウが隠れている岩陰から光が漏れ、大きいエネルギーが発生しているような気配があった。
不安そうな視線をグレイに送るビビヨンに対し、グレイが励ます。
「大丈夫だ! 相手は麻痺しているハズ。奇襲攻撃はできな――」
次の瞬間! ミニリュウが岩陰から素早く顔を出し、口から凄まじい威力の光線をビビヨンに向けて解き放った!
ビビヨンは麻痺しているせいで一瞬動きが遅れ、ミニリュウが放った光線の餌食となった。まるで全てを破壊するかのような凄まじい光線はビビヨンをたちまちボロボロにし、ビビヨンを天井に向けて強く吹っ飛ばした。
吹っ飛ばされたビビヨンは天井の照明器具に衝突し、照明器具をバラバラに砕き壊し、それでも勢いは止まらず天井にめりこんだ。
一瞬の間があってから、天井からビビヨンが落下し始める。
ゴンはミニリュウに指示することなく静かにその様子を見守っていた。
グレイには何が起きたのか一瞬理解できなかった。しかし、落ちてきたビビヨンを見て分かった事が1つだけあった。
ビビヨンは戦闘不能になっていた。
「一体、何が起きたんだ?」
半分は独り言、半分はゴンへ解説を求めるような言い方で、グレイはそうつぶやいた。
「今のは、ミニリュウの“はかいこうせん”じゃよ」
“はかいこうせん”とは、ノーマルタイプの特殊攻撃技である。全てを破壊する凄まじい光線を相手に放って攻撃する技である。“はかいこうせん”を撃った後は、反動でしばらく動けなくなる。
ミニリュウが“はかいこうせん”を撃ち、ビビヨンがそれを避けられなかった。それは理解したグレイだが、疑問はまだ残る。
「なんで……そんなに素早く岩陰から出て“はかいこうせん”を撃てる? 麻痺してたハズだろ?」
「それはミニリュウの特性だっぴ、の効果によるものじゃ。特性だっぴの効果は、時間が経つと麻痺などの状態異常が自然に治るというものなのじゃ」
ゴンの解説を聞いたグレイは、ミニリュウに視線を移した。麻痺させたはずのミニリュウは、確かに麻痺が治っているようにグレイには見えた。
再びゴンが口を開く。
「すまんのうグレイくん。君に解説している間に、ミニリュウの“はかいこうせん”の反動が無くなってしまったようじゃ。しかし、解説を求められて無視する訳にもいかなくてのう、許してくれぬかのう?」
ミニリュウが“はかいこうせん”の反動で動けない間に、新しいポケモンをさっさと出して攻撃をすれば良かったのである。
しかし今のグレイにとっては、ミニリュウに攻撃するよりも、ゴンの解説を聞くことの方が価値あることであった。
グレイは、自分の無知のせいで無駄に痛い思いをさせたビビヨンに対して罪悪感が湧き、反省すべき点が多いと感じた。そして同時に、
(麻痺させて動きが鈍った所を“はかいこうせん”で決める
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