11話目 成長(前)
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けろビビヨン!」
鋼鉄のように硬くなったミニリュウの尻尾がビビヨンに襲い掛かるが、ビビヨンは自慢の機動力で避けた。
「まだじゃ! “アイアンテール”」
ゴンが再びミニリュウに攻撃を命じた。ミニリュウが“アイアンテール”でビビヨンを攻撃しようとする。
グレイが新たな指示を出さないので、ビビヨンは『避けろ』の指示の継続と判断し、攻撃をせずに回避に徹した。
ミニリュウの“アイアンテール”は空振りに終わった。
その後ミニリュウの“アイアンテール”が3回目に空振ったその瞬間、
「今だ! 麻痺!」
グレイが叫んだ。
ビビヨンは“しびれごな”を使うため、技の準備に入った。“しびれごな”には物理的な破壊力は無いので、相手の“アイアンテール”とぶつかり合えば一方的に負けてしまう。グレイは相手の“アイアンテール”が派手に空振ぶるのを待っていたのである。
「“でんじは”じゃ!」
ゴンも、相手を麻痺させる技“でんじは”を指示した。
グレイはビビヨンに“しびれごな”を中断させて回避を命じることもできたが、それをしなかった。あわよくば自分だけ技を当てて逃げられればと考えていた。
また、両者とも麻痺して動きが鈍くなった場合にも、有利になるのはビビヨン側だとグレイは考えていた。
ビビヨンの“しびれごな”がミニリュウに命中し、ミニリュウは麻痺した。
少し遅れて、ミニリュウの“でんじは”が逃げるビビヨンに命中し、ビビヨンも麻痺した。
(当て逃げは無理だったか……だが、ビビヨンは元々動きが速いから、少し動きが鈍くなっても上空に逃げれば相手の攻撃は避けられる。あの遅いミニリュウが麻痺したら、岩場に隠れるのが遅くなってビビヨンの攻撃が当たるようになるだろ)
グレイはそう考えており、作戦成功に内心喜んでいた。
「ビビヨン、上空!」
「ミニリュウ、岩場の影に隠れるのじゃ!」
「ビビヨン“むしのていこう”」
再び上空に移動したビビヨンは“むしのていこう”をミニリュウに放つ。しかし“むしのていこう”が当たる前に、ミニリュウは岩場の影に隠れてしまった。
ビビヨンは少しずつ移動しながら“むしのていこう”を放つが、ミニリュウは岩場に隠れたまま姿を現さない。
ビビヨンは途方に暮れ、グレイに『どうすればいいの?』と言いたげに視線を送る。
視線に気がついたグレイはビビヨンに言う。
「別に無理に攻撃しなくても大丈夫だ。相手が攻撃のために姿を現すのを待とうぜ」
グレイの言葉に対して、ビビヨンは安心したような表情をグレイに返した。
ミニリュウが岩陰に隠れ、ビビヨンもそれを無理に追わないため、しばらく試合の流れが止まっていたが、
「ミニリュウ、アレを決めてみようかの」
ゴンがそう言ったことによって、試合が再び動く。
ミニリ
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