淀み
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いされる二次災害以外には、特にね」
「なら、もうそれはそれとして楽しんじゃえばいいんじゃないかしら。箸が転んでも面白く感じるのが小学生ってものでしょ」
「僕はそこまで幼くないつもりだけど……まぁ、あんたの言う通りかもな」
どうやら僕が好きなものの欄に書く内容はしばらく変わりそうにないらしい。もう五年も付き合ってきたんだ、あと十年ぐらいは余裕さ。まぁ、もしかすると更にその十倍は見ることになるかもしれないが。
「それで、この陣はなんなんだ?」
「少なくとも、現代のものではないわね。世に出れば封印指定もありえるほどの、高度に創案された魔術陣。これほどの物が作れる人間がいるなら、とっくの昔に魔法に至っているでしょうね」
「……単語の意味はわからないけど、とにかく僕が爆弾を抱えているってことだけは理解できたよ」
「それだけの危険を認識しているのなら十分。まぁあんたには魔術回路とかも無さそうだし、それは家の中で厳重に保管しておきなさい」
その言葉を聞いて、持ってきたときと同様に四つ折りにしてポケットの中にしまった。爆弾を抱えたと僕は表現したが、正確には不発弾と言った方がいいかもしれない。彼女の言っていた魔術回路がこの陣を発動するのに必要なものだとすると、僕にはそれがないと彼女は言った。
だから僕にはこれを自発的に発動することなどできない。そう、できないはずだ。
なのにどうして、夢に出てきた彼女の言葉が一々脳を過るのだろうか。
「っと、来たみたいね」
その言葉に、初めてイリヤスフィールがこちらに近づいてきていることに気づいた。遠目であるから細かくは視認できないが、なんかもう既に色々とやばめな格好をしていることだけはわかる。ファンタジーもファンタジー、最近のプリティなアニメですらあんな格好をするのかと言われれば首を捻るぐらいには、魔法少女っぽかった。
いやしかし本当に酷いなこれは。あれが魔術の一つで、イリヤスフィールのイメージで形成されているのだとしたら、アイツの未来が途方もなく心配になってきた。鳥っぽいような気がしないでもない服(ミニスカートである)を揺らしながら駆け寄ってきた彼女に遠坂凛が声をかける
「よしよし、ちゃんと来たわね」
「まぁ、あんな脅迫状を出されれば……」
「――?」
もしかして無自覚でやっていたのか? あれを? 定規を使って筆跡を特定されないようにするやり方なんて普通の手紙の出し方ではないし、サスペンスや推理好きでもない限り知らないような知識を使っておいて無自覚? し
かしあの間違いひとつない筆跡からかなり手慣れているとは思うのだが……もしかして喧嘩番長か脅しの匠なのかもしれない。
「……ね、ねぇ。さっきからすごい見てくるけど……なに
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