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Once upon a dream〜はじまらないはじまりのものがたり〜
10月9日(木)
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手を打った。
あぁ〜この人がアレクサンドル!それなら納得。この金髪碧眼で逆に「太郎」とかの方がいじめられるわ。この人、顔だけじゃ無くて名前もアッチの人なのね…そう言えば友美がハーフとか何とか言ってた気がする。
「アレクサンドル:『あ…ごめんねキミ…大丈夫?』」の下に並列して文字が現れる。「大丈夫です。お気になさらず。では」と、「大丈夫じゃないです…あなたに見つめられているから…」…。…えっ!?おかしいよね、おかしいよね、後半の選択肢!
しかし三角のマークはぴこん、と軽い音を立てて「大丈夫じゃないです…あなたに見つめられているから…」の前に出てしまった!
『フフ…かわいい子猫ちゃんだ…』
きゃらりらら〜んと音がして、いつかも見たような真っ赤なハートがアレクサンドルの笑顔の横に出てくる!その色は最早、毒々しく見える…。わたしは泡を吹きそうだった。なん…っなの、これ!言うわけ無い!そんな気色悪いこと!
『おいで…』
アレクサンドルは気持ち悪い猫なで声を出して、わたしの手を掴んだようだった。いやー!やめてー!砂糖を吐くような台詞が生理的に受け付けなくてもうわたしの体中サブイボだらけ。しかしそこで、ぱらららら…と音が聞こえた。この音は!とわたしは期待も露わに顔を輝かせた。この音は、日付がめくられる音だ。場面が変わる!どうか、この気持ち悪い台詞を呟く男の前から逃げ出せますように…。
日付は、11月21日(金)に変わった。…ん?この日にちにも見覚えがあるような…なんか、いやぁ〜な予感が…。
どうやら、場所は屋上のようだった。空と、白い床が見える。そして一拍おいて、画面にどーんっとアレクサンドルの顔が映し出された。うわーなんでなんでやだやだやだっ。こーゆー吹けば飛ぶような軽い人種とは関わりたくないんだってば!わたしは目の前でハエを払うようにぱたぱたと手を振ったが、視界いっぱいに見えるアレクサンドルの顔は悲しいかな、微動だにしなかった。
う、わ…。真面目な顔してる!なんか真面目な顔してるよ!
「海月…愛している」
ハイハイ誰にでも言ってるんですよね、わかります。
「君だけだ、僕をちゃんと見てくれたのは。僕の外見に惑わされない女性は」
ってみんなに言ってるんですね?わかってます。
何故かそこですっとアレクサンドルが片膝をついてしゃがみ込んだ。
「…わたしのただ一人の姫になってくれないだろうか?」
ぞぞぞぞぞぞー!
いやっ、今、もの凄い鳥肌の群れが!
姫とか、素面で言えちゃうところが、もうなん
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