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衛宮士郎の新たなる道
第12話 眠る町
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野暮か?」
 「はい、今や、らせてくだ・・・さい。私は少しでも早くアイツ等に復讐したいんです・・・!」
 「クク、呼吸は整えられても痛みが引いていないのに無茶な奴だ」

 言葉とは裏腹に実に愉快気に話す男。
 だがこの男はヒカルの無茶を好ましく思う。
 復讐の成功率を上げるには、感情に支配されずに精密に寝られた計画をただ淡々とこなしていくことこそ重要だ。
 しかし何時でも計画通りに行くとも限らない原因が、世に見えずとも蔓延っているのが“理不尽”であり、その時のここぞという時に踏ん張り乗り越えて行ける要因こそが強烈すぎる感情だ。
 故に男は、ペース配分を全く気にしないヒカルの無茶を止めようとは思わない。
 ――――何せこれは俺のでは無く、ヒカルの復讐劇なのだから。

 「だがいいだろう。望むなら、今この場でお前の“憤怒”に相応しい反英雄を召喚してやる」

 男はヒカルの望みのまま、英霊召喚の儀に移る。
 そうして魔法陣が一瞬にして浮かび上がると、まだ詠唱も始まっていないのに魔力の奔流が起きる。
 それを距離の離れた高層ビルの屋上で見る者がいた。

 「相変わらず見境もなく、魔力をまき散らすモノだ」

 それはヒカルにとってのファリア神父を担っている男を、この国に連れてきたとあるサーヴァントだった。
 このサーヴァントのクラスは弓兵(アーチャー)では無い。
 その為千里眼の様な遠見スキルの視力頼りでは無く、別の方法を使って視ているのだ。
 それはさて置き、このサーヴァントはその2人を見ている方法と同じやり方で葵紋病院に向かって来る1人と1体を感知した。

 「それ見た事か。魔力を感知したこの町の魔術師とサーヴァントが向かって来てるではないか」

 言いながら何もない宙でキーボード操作をするように手を動かす。

 「私の配慮が無ければどうなっていたか知れたモノでは無い」

 それまで淡々と作業をしていたが、最後には誰に聞かせるでもない愚痴を虚空に向けて呟いた。


 −Interlude−


 葵紋病院と言うよりも、川神市を目指して駆けて行く2人の聴覚に駆動音が聞こえてきた。

 「ん?」
 「下がれ!」

 2人揃って瞬時に後退すると、轟音と同時に元いた場所には鉄礫の雨が容赦なく降り注いだ。

 「何!?」
 「フッ!」

 事態に士郎よりついていけないシーマはそれを降り注いだ方を見ると、シーマにとって初めて見るガトリング(凶悪そうな機械)ごと士郎の投擲によって串刺しにされた人形の姿があった。
 士郎が瞬時に気付けたのは、聞きなれた音からガトリングだと直に判断できたからだ。

 「人形!?」
 「ぼーっとするな、シーマ!魔力をエネルギー源として動く魔導自動人
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