博麗神社にて
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というものだ。
「あー……悪いんだけどその部屋から布団持ってってちょうだい」
「はーい、それじゃあおやすみなさい、博麗さん」
「おやすみ、それと霊夢でいいわ。苗字で呼ばれるの慣れてないし」
「了解です、霊夢さん」
そう言って布団を持って別れる。別れ際に「ふふふ…新品…」とか言っていたが何の事だったのか。
「よし、寝巻きも用意してくれるとはなかなかサービスが宜しいですな」
用意されていた寝巻きに着替える。着替えとは全て叶夢のものだったが一体いつ持ってきたのか。深く考えてもわからないので叶夢は考えるのをやめた。
「ん…?」
布団に入って気づいた。この布団から霊夢の匂いがすることに。意図して嗅いだ訳では無いが先程まで一緒にいた為何となくわかった。
(つまりこれは…普段霊夢さんが…)
そこまで考えた時点で思考を強制遮断した。そして代わりに生まれたのは疑問。何故霊夢は自分の布団を叶夢に貸したのか。そこで先程霊夢が呟いていたことを思い出す。
(ああ、そうか…さっきの新品ってそういう…)
疑問の回答はすぐに出た。恐らく叶夢用に八雲紫が新しい布団を用意したのだろうがそれを霊夢が使っているのだろう。
(現金な人ですね…………zzz)
ここら辺で叶夢の意識は途切れた。
「凄い…!なんてふかふか…!」
霊夢は感動していた。八雲紫に叶夢用として渡された布団だったがそれを叶夢に告げず自分のものにしたのだ。現代の羽毛布団は今まで霊夢が使っていたものとは明らかに別物だった。
「これは…すぐに寝れる…」
暖かく柔らかい布団が眠気を誘う。今日知り合った男が自分の布団を使う事に少し懸念を抱いていたが既に吹っ飛んでいた。布団だけに。
「ふへへ…しあわせー…」
ご満悦だった。
「んー…今何時…」
朝。幻想郷にて初めての朝だった。
「トイレ…」
昨日教えて貰った位置にちゃんと辿り着き用を足す。その後縁側に出た。
「夢じゃないんですねー…」
昨日で受け入れたはずだったがほんの少しだけ夢オチを期待していたのだ。そんな叶夢の淡い希望もあっさり打ち砕かれこれからどうなるんだろうなぁとか考えていると後ろに気配を感じた。
「おはよ」
「おはようございます、霊夢さん」
気配の正体はもちろん家主の霊夢さん。寝巻きではなく既に巫女服であった。
「ご飯作るからあんたも手伝いなさい」
「すいません、俺料理できないでs……あふ」
「…先に顔を洗ってきなさい。そこを曲がって最初の部屋が洗面所だから」
「ふぁい…」
言われたとおり顔を洗う。すっきりしたところで戻ると既に霊夢は料理の準備を始めていた。
「料理できないならお皿出してちょうだい。そこの棚にあるから」
「はーい」
棚から適当に食器を取り出していく。
「霊夢さんのコップとか箸ってど
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