博麗神社にて
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事情とやらを知るのは不可能だろう。
「まあまあ、そんなにピリピリしないの霊夢〜」
悩みの種の本人こと八雲紫は何故か従者を先に帰らせて片付けの様子を眺めていた。
「残ってるならあんたも手伝いなさいよ」
「はいはい」
「博麗さーん、これはどちらへー?」
「それはこっち持ってきて」
テキパキと片付けを進めあと少しで終わりと言うところで八雲紫が口を開いた。
「ねぇ霊夢、お願いがあるの」
「何よ」
「叶夢をしばらく預かってくれないかしら?」
「は?」
「え?」
博麗霊夢と叶夢から間抜けな声が漏れる。
「だーかーらー、叶夢を預かってって言ってるの」
「嫌よ、めんどくさい」
バッサリだった。少し叶夢はへこんだ。
「そう言うと思ったわ……霊夢、ちょっとこっちに来なさい」
「だから何よ……」
そして叶夢から背を向け何かを話し始める2人。
「ゴニョゴニョ」
「えっ……そんなに……」
「ゴニョゴニョ」
「嘘、ちょ、詐欺?」
「ゴニョゴニョ」
「ここで渡すって!?ちょっと待ちなさい!金庫取ってくるから!というかあんたが来なさい!」
そんな事を言いながら2人は神社の中へ消えていった。数分後戻ってくると博麗霊夢は先程までのしかめっ面はどこへやら。とてもいい笑顔だった。
「叶夢、歓迎するわ。好きなだけ居なさい」
「凄い変わり身を見ました」
「うふふ、わかってくれて嬉しいわ」
先程の会話から察するに金で取引したようだが一体どれ程の額だったのか。博麗霊夢の笑顔からすると相当な額のようだが。
「ああ、これは普段の私の行いが良いからようやく神が微笑んだのね……」
もはや恍惚としていた。トリップしていた。
「それじゃ、私は帰るわ。またね叶夢、霊夢と仲良くね」
「はい、さよなら八雲さん」
「そうそう、着替えとか神社の中に入れといたからそれを使って」
「おお、ありがとうございます」
アフターケアという奴だろうか。何にしても着替えがあるのは助かった。
「霊夢、叶夢を宜しくね」
「ええ任せなさい。金づ…お客さんを大切にするのは普通だものね」
つっこんでもスルーされるのが分かっていたので叶夢はつっこむのをやめた。
ひらひらと手を振りながら八雲紫はスキマへと消えた。
「え、何ですかあれ」
「スキマよ。知らなかったの?」
「初めて見ました…」
神社の中に案内される叶夢。木や畳の匂いが田舎を彷彿とさせた。
「客用の部屋があるからそこがあんたの部屋ね」
「わかりました」
「私はもう寝るけど何か説明は必要かしら?」
「トイレの位置だけお願いします」
朝起きたら必ずトイレに行く身としては聞いておかなければならなかった。
「ん、ここよ」
「ありがとうございます」
しっかりと位置を把握する。これで安心して熟睡できる
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