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SAO〜円卓の騎士達〜
第六十九話 地下世界へ
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に現れたのは、ウルズの言葉通りに草木と花々、そして清らかな水に溢れた世界だ。
女王ウルズの背後に存在する底無しの大穴《グレートボイド》も、本来は煌く透明な水を満たした広大な湖であり、天蓋からぶら下がっているだけの世界樹の根は、太く寄り集まって湖にまで達して全方向に広がっていた。

水面から盛り上がる太い根の上には、丸太で組まれた町が存在しており、その風景は地上の《中都アルン》ととても良く似ていた。
ウルズが右手を下ろすと、幻の風景も消え去った。 彼女はどこか悲しそうな表情を浮かべ、口を開いた。

ウルズ「ヨツンヘイムの更に下層には、氷の国《ニブルヘイム》が存在します。 彼の地を支配する巨人族の王《スリュム》は、ある時オオカミに姿を変えてこの国に忍び込み、鍛冶の神ヴェルンドが鍛えた《全ての鉄と木を断つ剣》エクスキャリバーを、世界の中心たる《ウルズの湖》に投げ入れました。 剣は世界樹のもっとも大切な根を断ち切り、その瞬間、ヨツンヘイムからイグドラシルの恩寵は失われました。」

ウルズが左手を持ち上げる。 再び幻視のスクリーンが映し出され、その圧倒的な光景に、俺たちは声も無く見入った。
巨大な湖――《ウルズの湖》の全面に伸びていた世界樹の根が、のたうち、浮き上がり、天蓋の方へ縮小していく。そして根の上に築かれた町々は、崩壊していく。
同時にあらゆる木の葉は落ち、草は枯れ、光が薄れる。 川は凍り付き、雪が降り、吹雪が荒れ狂う。 《ウルズの湖》を満たしていた膨大な水も一瞬で凍り付き、巨大な氷の塊となったそれを、世界樹の根を包みながら上空へ引き上げていく。 世界樹の根には巨大な氷塊がその半ばまで天蓋に突き刺さる。 その氷塊こそが、現在ヨツンヘイムの上空に偉容いように構える《氷の逆ピラミッド》のことだろう。 氷塊の最下端、氷柱のように鋭く尖った先に黄金の光が見える。 霜の巨人の王スリュムが投げ込み、《世界樹》と《ヨツンヘイム》という二つの世界を切り離したという剣、聖剣エクスキャリバーに間違いない。
ウルズが左手を下ろすと、幻のスクリーンは消え去った。

ウルズ「王スリュムの配下《霜の巨人族》は、ニブヘイムからヨツンヘイムへと攻め込み、多くの砦や城を築いて、我々《丘の巨人族》を捕え幽閉しました。 王は嘗かつて《ウルズの泉》だった大氷塊に居城《スリュムヘイム》を築き、この地を支配したのです。 私と二人の妹は、凍り付いたとある泉の底に逃げ延びましたが、最早かつての力はありません。 それに霜の巨人たちは、それに飽き足らず、この地に今も生き延びる我らが眷属の獣たちを皆殺しにしようとしています。 そうすれば、私の力は完全に消滅し、スリュムヘイムを上層のアルヴヘイムにまで浮き上がらせることが出来るからです。」

これを聞いていたクライン
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