暁 〜小説投稿サイト〜
未来劇団エレイザ~Future~
腐った世界1
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[9] 最初
なれるという保証はないってことを忘れるなよ」

 「わかってる。ただ、見つけたいんだ。
  アクトレスは本当にいるんだっていう証拠を。
  別に自分がアクトレスになりたいわけじゃない」

 「本当かよ。
  トーラスブレードを見つけてアクトレスになるんだーって
  あんなに騒いでたやつが……」

 「騒いでって……
  ……カケルが、いつも必死に止めるから。
  きっと何かあるんだろうなって思ったんだよ。
  アクトレスやトーラスブレードについては、お前の方がよく知ってるだろうしな」

 困ったように渋い顔をしているカケルに、カムイはふわっと微笑むと
 広げた地図や本を片付けはじめた。

 「でも、トーラスブレードは渋谷にある可能性が高いっていったの、お前だからな」

 すべて片付けて身支度を整えると、そろそろ行こうと立ち上がり
 カケルの方へ振り返って、いたずらっ子のような笑みを見せた。

 「俺に情報を漏らしたんだ。探し物、最後まで付き合ってもらうからな」

 そう言って廃屋を後にするカムイに、カケルは呆れたようにため息を吐く。
 しかし、そんなカムイの子供っぽい一面に、自然と笑みが零れた。

 「かなわないな」

 自分の口角が上がっていることに驚きつつ
 カケルは、見ていないと危なっかしくて心配になる弟分のようなリーダーを追いかけた。
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