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平成ライダーの世界
第二十九章
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 そしてそれが徐々に彼女の立場を微妙なものにしていきファンガイアと人間の狭間、特に登と紅の間で悩むことになりました。そのうえビショップにファンガイアひいては登にとって危険とみなされ命を狙われる様になりました。
 平成ライダーではよくある姿形が違う故の悩み苦しみ、乾巧や相川始、神代剣がその中にあったのですが現在のクイーンもその中で苦しみ彼女はそれに乾や神代達の様に突き破ることは無理でした。少なくとも彼女一人ではそうでした。紅という助けてくれる人がいましたし彼が助けに来てくれたのですが間に合いませんでした。
 そしてその結果命を落としてしまいましたが人間として死ぬことが出来ました、ビショップは人間としての狂気に陥り狂人として名護に倒されていますが彼女は人間として紅に看取られて死ぬことが出来ました。ファンガイアのクイーンでありましたが。
 これは心が人間であったからこそに他なりません、心が人間即ち人間であったのです。それで人間として死ねたのです。ここでも人間とは何かという問題が浮き彫りになっています。
 キバでようやく人間とは何か、というテーマについて登場人物達は自分自身の手でよい結末に辿り着くことが出来たのではないでしょうか。アギトで既に出ていましたがファイズ以降登場人物達は非常に苦しみ命を落としてまで答えを見出そうとして出来ないでいました、幸せな答えまでは辿り着けないでいました。
 アギトの登場人物達はそう考えると幸せでしたがファイズ以降は違いました、龍騎は人間としてどうあるべきか、戦うべきか戦うとすると何の為に戦うべきか人を利用してまで得られる幸せはあるのかというテーマでしたからまた違うと思います。人間とは何かということがテーマであることは同じにしてもです。そのファイズ以降、長い間登場人物達は悩み苦しみました、姿形が違っても心が人間であるのなら人間ではないか。ファイズ、剣、カブトでは特に顕著に出ていましたがキバも同じでそのキバでなのでした。登場人物達は遂に自分達で幸せな答えを出せました。現在のクイーンは死んでしまいましたが音也の想いはキバの結末にまで導くことが出来ました。人間もファンガイアも他の種族達も共に同じものに向かい合う結末に。そのうえで平成ライダーの世界は一つの帰結点を迎えます。
 平成ライダーでも特別な位置にあるディケイド、この作品は主人公である門矢士だけでなくその世界観もストーリーも独特でした。それぞれのライダーの、これまで放送されてきた世界とは違うパラレルワールドを巡って戦うというものでした、その中には当時放送中だった戦隊ものだったシンケンジャーの世界や共に戦うライダーの本来の世界もありました。
 門矢はその世界を一つ一つ巡っていきますが彼の頭脳と人間性で問題を解決していきました、これはこれまでの仮面ライダーとは一線を画していまし
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