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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十九話 月夜の黒羽
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ち全員が拳銃を握り締めて周囲を見渡した。

 だけど声の主はどこにも見当たらない。

 誰が、どこにいるの?

 そんな疑問に答えるように、私の目の前に真っ黒な影が現れた。

 影は徐々に大きさを増し、そして真上から一人の少年が音もなく着地した。

 リーダーの彼はまだ彼の存在に気づいていない。

 こんなに近くにいるのに……気配を殺してるから?

 私が疑問を抱くうちに黒の少年はこちらを振り向き、声をかけてくれた。

「身体測定の時振りだな、月村」

 その声、その顔……服装は独特だけど、彼のことはよく知ってる。

 最近この町に引っ越してきたって言う、なのはちゃんのお友達。

 周りの人とは違う独特な空気を放つ、そんな不思議な人。

 ――――小伊坂 黒鐘。

「小伊坂さん……!?」

「助けに来た」

「助けに来たって……」

「動くなッ!!」

 小伊坂さんの後ろから、リーダーの彼の怒声が聞こえた。

 私がその方を向くと、リーダーの彼は銃を構えていた。

 シルバーに光る大きな拳銃。

 五メートルも離れてないから、撃たれたら絶対に死んじゃう……。

「動くな?」

 だけど小伊坂さんは知ったことじゃないって言わんばかりに堂々と振り向いた。

「小伊坂さん!」

「大丈夫だから」

 こんな状況なのに……死んじゃうかもしれないのに、小伊坂さんは凄く落ち着いた声音で話しかけてくれた。

 私を安心させるためなの?

 でも、小伊坂さんが死ぬかもしれないって考えるだけで落ち着けない。

 だって私のせいで……化物のせいで、死んじゃうなんて、嫌だから。

「月村、ちゃんと聞いて欲しい」

「え?」

「大丈夫だ。 絶対、大丈夫だから」

「……」

 その大丈夫が、何に対しての大丈夫なのか私にはわからなかった。

 助かるってことなのか、私が化物ってことに対してなのか、それとも両方なのか。

 だけど彼はそれ以上語ろうとせず、銃口が私の方に向かないよう、私を背に隠して前に立ち続けた。

「お前、何者だ?」

「そりゃこっちのセリフだ。 なんで誘拐なんてしたんだ?」

「金のために決まってるだろ?」

「……ちゃんと働けばちゃんと稼げるだろうに」

「ガキが大人に説教か。 お前も大人になれば分かる」

「知りたくないからとっとと警察に捕まってくれないか?」

「嫌だと言ったら?」

 引き金に引っかかってる指が、少しずつ下がっていく。

 だけど彼は尚も変わらない様子で答える。

「痛い目を見てもらおうかな?」

「お前がなッ!!」

 リーダーの彼の一言で銃口から爆発音
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