魔法を使ってみたい!前編
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リコンになってしまう。
なんというか……こうしてみたら、可愛い、よな?俺の目は間違ってないよな?まだ剣を置いてきただけでいつでも戦地に舞い戻れる服装のままだが、こういう感情豊かに接すると行動は小動物、みたいだよな?
それこそ今のトウカはエルトのトーポを見てるような可愛らしさで、そして海千山千のククール様にしてはダサいことに心臓がわかりやすく高鳴る。顔に出るのだけ必死に阻止した。……ゼシカにはバレているようだ。なにが、深呼吸だ、レディ。
「じゃー、マホトラお願い!終わったらゆっくりお話しよ!」
普段トウカと一番長い時間を共にしているのは戦闘だ。宿屋の部屋も当然というか、最初から彼女はなるべく個室を望んでいた。やむを得ない場合……でも意識して気にしてなかったからそんなにゆっくり喋った記憶はない。
つまりこの上のないほど、グッときた。ただでさえ、身長差のせいで上目遣いで期待の目で見上げる恋しい人、だ。
……そのお望みはマホトラだが。
「……マホトラ」
その、まだ戦装束のままの肩に手を置いて小さく唱える。……爆発はしないよな?魔力のないトウカなら、ないよな?と不安にいまさら思ったが、幸いにしてそんな事はなかった。
幸い、そういうことはなかったが。
マホトラは、間違いなく効いた。魔法の耐性のないトウカには本人の予想通りがっつりと効いて、通常よりも遥かに多くの魔力が吸えた、はずだ。なにしろ、ほぼ枯渇していた俺が……ちなみに杖を装備しているから魔力はさらに多い……魔力が全快になったのだから。
「……」
「どうだった?なんか初めて受けるけどマホトラって面白いね!紫の光で何かがちょっとばかり減った感じ!あ、減ったって事は効いたんだよね?」
「……あぁ」
「数値の上では私、魔力なしってことになってるけど実のところ測れるもんでもないでしょ?使える魔法とか特技……メラとかホイミとかで計算するじゃない。私なーんにもできないからなしってだけでさ!」
俺の魔力から考えると二百五十以上は、回復したことになる。……一体どういうことなんだ?それだけ魔力があるならどう考えても何か魔法が使えるだろ?トウカは実家が実家だ、理論を知らないはずがない。本人もやったと言っていた。それでももし、壊滅的に魔法の才能がなくても……あのバトルセンスだ、特技で何かしら魔力の片鱗を見せたっていいだろう。
それに俺は、たまにトウカがエルトがヤンガスかの真似をして意図的に会心の一撃を出そうとしているのをこの前見た。失敗もするが、あれだけ試していて発動しないなら……できないってことだろう。
……ありえるか?そんなこと。
さて、これを言うべきか……言わないべきか。成功したとは言っちまったしな……。
「
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