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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十八話 二つの意識
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がやましいことなんだって自覚してるんだろ」

「自覚あるんだったらやらないで欲しいです」

「ははっ、確かにな」

 小さく会話し、小さく笑い、二人は次に降りてきた二人の『少女』に意識を向けた。

 両手を後ろで縛られた金髪の少女と紫髪の少女。

 ――――アリサ・バニングスと月村 すずか。

 放課後になって病院に向かって歩いていた俺と柚那を、背後からつけていた二人が、どうやら隠れているうちに捕まってしまったらしい。

「さて、柚那。 人助けといきますか」

「はい、頑張ります」

 俺と柚那は立ち上がり、気配と音を殺しながら行動を開始した――――。


*****


 時は少し遡り、放課後になって校舎を出た時のこと。

 アタシ、アリサ・バニングスは友達のなのはとすずかと共に校舎前で他愛もない話しをしていた。

 アタシとすずかはこの後、塾に行く用事があってそこまで連れてってくれる車を待ってる間を三人で過ごしていたのだけど視界に、アイツが写った。

 小伊坂 黒鐘。

 いつからか、なのはが話題に出すようになった四年生の男子生徒。

 なのはとは知り合うような接点を持たない彼は、不気味なほど普通のステータスの男だった。

 見た目がちょっと大人っぽいからって他は特に目立つものはなくて、頭が特別いいわけでも運動神経が特別いいわけじゃない、本当に普通の人。

 そんなやつがある日、唐突になのはの話題に現れるようになった。

 しかも日を増す事に比例して増えていってる。

 その上、アタシたちのクラスメイトの逢沢 柚那とも親しい関係だって言うんだから尚の事怪しさが増した。

 柚那とは挨拶を交わしたり、隣の席だから勉強を教え合ったりのちょっとした関係だけど、少なくとも男子と接点を持つような人じゃない。

 小伊坂 黒鐘って人と同じクラスに姉を持っていて、姉のことを最優先にするような人だから、誰かと仲良くしようだなんて、ましてや男子と仲良くしようだなんて人じゃない、と思っていた。

 そんな柚那、柚那の姉もアイツと親しいだなんて、怪しすぎてしょうがない。

 すずかは気にしないと言ってるけど、アタシは納得できない。

 もし裏があって、なのは達を傷つける気がったら許せないし、裏がないんだったらそれはそれでいい。

 とにかくアタシは、小伊坂 黒鐘が白か黒かなのか、納得をしたいだけ。

 だからアタシは、なのはと別れて彼の後をつけた。

 アタシ一人でもよかったんだけど、すずかもついてきた。

「アリサが熱くなりすぎないようにしないとね」

 そう言ってるけど、すずかだって気になってるんだ。

 アイツがどっちの人間なのか。

 な
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