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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十六話その2 交渉は「順調」に進んでいます。
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し寄せてきます。そうなったら、また両者の間に激しい戦禍が起こるではないですか。」
半ば震えを帯びた声でそう言ったのはカロリーネ皇女殿下だった。
「私個人としてはそれを望んでいるわ。今回はまたとない機会だといったでしょ?今帝国の重要人物は悉くイオン・ファゼガスに集結しているのよ。軍の総司令官、大貴族の長、閣僚ら主要人物が。そう言った奴らを一網打尽にしてしまえば、たとえ帝国が大軍を繰り出してきても勝機はあるわ。そう思わない?」
「不可です。」
アルフレートがきっぱりと言った。ヴィトゲンシュティン中将が形の良いくっきりとした眉を跳ね上げた。
「なぜ?」
「帝国の人口は250億人です。軍隊にしても数億人規模です。そう言った中に現職の司令長官の後任にふさわしい人物が一人もいないということはないでしょう。むしろ彼らの復讐心を増大させ、実力以上の力量を出さしめる結果になります。今の同盟では迎撃に徹するだけの力も物資も不足しています。期限付き和平の終了をもって戦端を再開すればいいではありませんか。」
いつになく熱弁を振るったアルフレートをカロリーネ皇女殿下もファーレンハイトもシュタインメッツも意外そうに見ていたが、やがて一斉に同意のうなずきを示した。
「それでは遅すぎるのよ。」
彼女の言葉はそれほど大声でもなかったが、そこに込められていた響きがカロリーネ皇女殿下の心臓を揺さぶった。それはアルフレートに殴られるまで自身が胸に秘めていたどす黒い思いととても似ていたからだ。
「私は私が健全であるうちに、帝国に対してとどめを刺したいの。そのためにこそ今日の地位まで登ってきたのだわ。でも、これは私個人の意見ではないわよ。第十三艦隊の帝国亡命者の中にも今私が言ったことと同じような意見を胸に抱いている人は少なからずいるわ。」
第十三艦隊は艦艇総数12500隻 兵員170万人と第三次ティアマト会戦の後に大幅に増強されていた。これは第三次ティアマト会戦において第十三艦隊の善戦の様相が同盟全土に放映され、その結果、入隊を希望する亡命子弟が増えだしたことが原因であった。さらにローゼンリッター連隊も近々この第十三艦隊の麾下に配属されることとなっている。
それを統括する立場のウィトゲンシュティン中将としては積極攻勢を唱えた方が部下受けしていいのかもしれないな、とアルフレートはちらっとそう思った。だが、それと現実に行うかどうかは全くの別問題だ。
「第十三艦隊と言えども同盟軍艦隊です。帝国亡命者の私兵集団ではありますまい。どうかその辺りのことをよくご理解なさって、ここはご自重くださいますように。」
ファーレンハイトが言う。さらにファーレンハイト、シュタインメッツは戦略的な意義からも今回の交渉を妨害することのデメリットを説いた。アルフレートも時折そこに加わったが、カロリーネ皇女
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