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STARDUST唐eLAMEHAZE/外伝
吉田 一美の奇妙な冒険 「前編」
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学校という 「場」 に於いても、一人孤立する事を好んだ異邦者。
 当然教師や他の生徒達との衝突や軋轢を生み、
トラブルは後を絶たなかったようだが誰に頼る事もなく、
自分自身の力のみで行く手を(ほだ)すモノをスベテ叩き潰し
常に威風颯爽と生きていた。
 曰く他校を含めてこの界隈に300人以上の配下
( “シャテイ” とかいうらしいが詳しくは知らない)がいるとか、
曰く警察も手を焼く武装暴走集団をたった一人で壊滅させたとか、
曰く未成年にも関わらずトップモデル並の美貌を持つ愛人がいるとか、
(白いマフラーを巻いた絶世の美女らしい)
その武勇と浮き名は枚挙に暇がない。
 気弱で内向的で自己主張さえもロクに出来ない、
池や緒方といった友人の助けがなければ学園生活も満足に送れない自分とは、
完全に対極に位置する者。
 否、対極というのも語弊が在る。
 ソレはある種の憧憬、畏敬、自分では絶対手が届かないモノに対する
絶望にも似た劣等感。
 本来なら、考える事すらも(はばから) れる存在だ。
(それなのに……どうして……?)
 無論会話をした事もなければ、声をかけられた事もない。
 それどころか広い校舎の中で印象の薄い自分という存在を、
彼が知っているかどうかも疑問だ。
「……」
 想いに惑いながらも、少女はマスコットの揺れる鞄を両手で携えたまま再び歩き始めた。
 自分と彼とでは、何もかもが余りにも違い過ぎる。
 その生き方も、住む世界も、自分という存在の認識すらも。
 とても、同じ 「人間」 とは想えないくらい。
(でも……)
 心の中ですらも消え去りそうな声で、
少女は浮かび上がる幾つもの声に反発した。
 でも、確かに心の何処かで感じるのだ。
 眼に視えない、耳には聴こえない、形すらも定かではないが、
それでも確かに在った、彼との 「繋がり」 が。
 でも、想い出せない。
 どうしてもどうしても、想い出す事が出来ない。
 心にかかる紅い(もや)と共に、何処かへ消えてしまった。
『ソレ以上に』 大事だった筈の、一つの感情と一緒に。 
(もう……やめよう……)
 俯いたまま、心の中で呟く渇いた声と共に、少女は想いを無理矢理振り切った。
 正直自分でも 「危うい」 と想うし、話した事もない相手に対してここまで
一方的な想いを抱くのは、精神に変調をきたしている良い証拠だ。
 多分自分と余りにも違う “彼” という存在に勝手な幻想を持ち、
そこに逃げ込み、虚構と現実の区別が付かなくなっているのだ。
 そんなの、余りにも惨めで愚かで救いがないし、
そんなのは嫌だという自尊心くらい、自分にだって在る。
 第一、もう “彼” は此処にはいないのだ。
 誰かが言っていたが、もう此処
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