同胞
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「んで、お前は一体何者なんだ?」
放課後。閃輝と咲夜はセシリアに連れられて箒と話した屋上へとやってきた、屋上に足を踏み入れた瞬間に理解する結界。人を払い近寄らせない類の道を見失う結界、術式自体はそれほど難しくなく結界術について学んでいれば初級レベルで習得する物。しかしそれは目的地に到達していないという疑念を孕ませる、がこの結界は対象者以外の人間の無意識に干渉して自分がどこに向かっていたが解らなくし、先程まで居た場所に戻るように仕向けるという物。
「この結界術も本当に大した物ね、でもわざと魔力を持っている人間には反応しないように細工してるわね。貴方、本当に何者なのかしらね」
「お見事。しかしこのような結界を張ったのは水を指す虫を払う為、ご容赦くださいませ」
二人の言葉に喜びを感じつつ再びお辞儀をする、確かに礼儀正しい。絵に描いたようなご令嬢と言った印象を与えるが二人は何処か八雲 紫に似ていると言う印象を受けていた。丁寧だが何処か裏がありそうで胡散臭く思える、決して自分の本性本音を出さない。
「改めまして、私はセシリア・オルコット。私もこのような存在なのです」
そう言うと彼女は手を合わせた、瞬時に彼女自身が自ら後からで隠していた身体の一部が開放される。茶色で見事な毛並みをしている二つの愛らしい耳にしゅるりと伸び動いている縞々模様の尻尾。それは猫のようだった。
「まさか……猫又?」
「否尻尾は一本、イギリスの猫……チェシャ猫って奴か」
「はい、その通りです」
チェシャ猫、ルイス・キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』にて登場した猫。常に顔ににやにや笑いを浮かべつつ人の言葉を話し、自分の身体を自由に消したり出現させたりできる不思議な性質を持つ猫。
「オルコット家はチェシャ猫の血を引く一族なのです、しかしその地は代を重ねる毎に薄れていきましたが私はその血を強く引いております」
「成程、それであの人が興味を示したという訳か」
「はい、私は所謂先祖帰りで最も強かった時の力が宿っております」
その力は他の妖怪と比べると非常に強い部類に入る、中級妖怪を退け上級妖怪をも倒すことも出来るほどの力を持っている。故に八雲 紫に目を付けられた、しかし彼女はこの外界に残っている。
「幻想郷にお誘いを頂きましたがお断りしました。私はこの世界で両親が残した物を守って生きていくと決めていました、しかし代わりに契約を交わしました」
「契約?」
「この世界で何か行動を起こす際は補助をするっと言う物です、そして今霧雨様と十六夜様がこの学園にいる。よって私はお二人の補助をする事になっています」
これで二人の疑問は解消された、何故幻想郷の事を知っていて自分達に接触してきたのか。
「んじゃこれか
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