二十話:食べログ
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ながら毒を吐くジャンヌ・オルタ。
しかし、ぐだ男もその意見には全面的に賛成なので何も言わない。
あれを好むのは外道の代名詞の神父か魔術師殺しぐらいなものだろう。
「それで、次は何を食べに行きますか?」
「そうね……取り敢えず激辛系はもうやめましょう」
『右に同じ』
もう、一生分の辛みは満喫したとでも言うようにげんなりとした表情を見せる三人。
「では、次はスイーツなんてどうでしょうか?」
「確かに悪くないわね。じゃあ、適当に驕り高ぶっている場所でも探しておくわ」
『楽しそうだね』
「あたりまえよ。自分は偉いと思っている奴を絶望の淵に叩き落すこと以上に楽しいことはないですもの」
どこまでも邪悪な言葉を言ってのけるジャンヌ・オルタ。
だが、手元のスマホで良さ気な店の品を楽しそうに検索しているので台無しである。
ところどころで美味しそうなどという言葉も聞こえてくるがツッコミを入れると怒るので何も言わない。
こういうのは遠くからニヤニヤとしながら眺めるのが通なのだ。
「じゃあ、今日はここで解散ね。次も私に付き合いなさいよね」
「勿論です。付き合うなと言われても付き合います。主に背後3メートルから」
「それはただのストーキングでしょうが!?」
「……?」
「何を当然のことをみたいな顔をするんじゃないわよ! 私がおかしいみたいじゃない!」
まるで漫才のようなやり取りをする二人にぐだ男は人ごとだと割り切り笑う。
しかしながら、すぐに他人ごとではないことに気づかされることになる。
「清姫さんも行っていますので。ほら、今も―――ぐだ男さんの3メートル後ろに」
『今明かされる衝撃の真実ゥウ!?』
ブリュンヒルデの爆弾発言に驚き振り返るぐだ男。
すると、壁の横から顔を出す清姫と目が合いニコリと笑みを向けられる。
その顔は非常に可愛らしいのだがなぜだかぐだ男の背中には冷たい汗が流れるのだった。
「……それじゃあ、私は帰るわ」
『今、見て見ないフリして俺を見捨てたよね?』
「えー、なーにー? きゅうにみみがとおくなったんですけどー?」
『きよひーの前で嘘は禁句だよ!』
「うるさいわね、嘘ぐらい別にいいでしょ。嘘の一つも認められないのは病気よ。せいぜい頑張ればいいわ」
窮地に立たされたぐだ男を見捨ててジャンヌ・オルタは家路につく。
面倒ごとから逃げて他人に押しける完璧な作戦。
しかし、そんな彼女を待ち受けていたものは過酷な運命であった。
「ただいま」
「おかえりなさい」
自宅にたどり着いた彼女を姉のジャンヌが出迎える。
エプロンを身に着けているのでちょうど夕飯の準備をしている最中らしい。
「もう少しで夕飯ができるので待っておい
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