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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
裏切り
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りかざし、ネズミに襲いかかる猫の如き勢いで、ついに出現した《花つき》に飛びかかろうとしたが。
その寸前、俺が危険を察知したかのように両足でブレーキをかけ、同時に左手で隣のコぺルを止めた。
「どうしたの?」
という顔を向けてくるコぺルに、左手の人差し指を立てて見せ、それを遠ざかっていく《花つき》の奥に向ける。
木や林に遮られて見えにくいが、その方向に、ネペントの影がもう1つあった。気づけたのは、熟練度が上昇してきた俺の《索敵スキル》のおかげだ。コぺルはまだ索敵を取っていないのか、森の暗闇にジッと眼を凝らし、数秒かけてようやくそれを視認したようだった。
花つきの奥に隠れているのが普通のネペントなら、攻撃をためらう理由はない。しかし何たることか、2匹目の捕食器の上にも、大きな塊がユラユラ揺れてる。
2匹目が細い茎の先にぶら下げてるのは、直径20センチほどの丸いボール状の《実》。今にも弾けそうなほどパンパン膨れた《実》を少しでも傷つければ、即座に炸裂して臭い煙を撒き散らす。煙は猛り狂ったネペントの群れを引き寄せ、いかにレベルが上がっていようとも脱出困難な危機にあうだろう。
どうすべきか、俺は考えた。
戦力的には《実つき》の実を傷つけずに倒せる可能性もある。だがどこの世界にも絶対というものはない。死の危険もあるなら、ここはしばらく待機し、花つきと実つきが遠く離れるまで待つという手もある。
しかし、ベータ時代に聞いた噂が俺を迷わせる。リトルネペントの《花つき》、クエストのキーアイテムを落とす貴重なレアモンスターは、POPした後は狩らずに放っておくと危険極まる罠モンスター《実つき》に変わる……と当時噂で聞いたことがあった。
あり得なくもないが、あくまで噂。確証はない。こうして草むらから眺めている間にも、十数メートル先を移動している花つきネペントの花びらがヒラヒラと散り、まん丸い果実が膨らんで、その先にいるのと合わせて実つきネペントが2匹になってしまうかもしれない。
ここで決断できない自体、危険と安全の線引きが出来ていない。そんな時、コぺルの低い囁きが届いた。
「……行こう。僕が《実つき》押さえておくから、ネザーは速攻で《花つき》を倒してくれ」
そして返事を待たず、初期装備のブーツを踏み出す。
「……わかった」
俺は答え、コぺルを追った。
迷いを断ち切ったわけではないが、状況が動き出してしまえば、後は剣とアバターの操作に集中するしかない。時には理屈でなく動くことも重要である。
コぺルの接近を、まず花つきが察知し、グルッと体を反転させた。捕食器の、人間の唇によく似ている縁を震わせて「シャアアアッ!」と吠える。
右に迂回し、奥の《実つき》を目指すコぺルを、花つきはターゲッ
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